中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4214回
無償倍額増資の体質を備えた株も

そう言うわけで、
私は肉屋の株を積極的にすすめる立場におりませんが、
中国ではこれから食生活の改善がすすみ、
肉屋が大きな商売をやるようになるだろうことは
間違いないだろうと思っています。
というのも半世紀前に私がはじめて兜町入りをした頃は、
まだ魚肉ソーセージの全盛時代で、
竹岸ハムも徳島ハムも伊藤ハムも
市場の肉屋さんに毛の生えた程度のスケールでした。
私は徳島ハムを応援し、徳島ハムが東京に上場する時、
社長の大社さんを我が家に招待したことがあります。
のちに社名を変更して日本ハムになり、
球団まで持つようになったのですから、
私が肉屋を軽視するわけはありません。

しかし、肉屋の会長をやって授業料をたくさん払わされましたから、
どうしても用心深くなって、
これから牛肉の時代が来ることがわかっていても、
牧場の大株主にならんかと誘われても、
いまだに二の足を踏んでいます。
但し、どこでどんな牧場があるかには常々気をつけていて、
内モンゴルにある蒙牛の工場にも2回行きましたし、
大連の郊外で日本式の肉牛を1万頭も飼っている牧場にも
何回も足を運んでいます。
東北大震災で牧場の経営をしている人たちが
どんな目にあっているかも福島まで出かけてこの目で見ているので、
牧畜に従事するよりも
肉屋をやる方が安全じゃないかという方向に傾いているところです。

ですから雨潤の株はいまだに手つかずですが、
神冠控股というソーセージの皮の最大手には早くから目をつけ、
邱友会の人たちにもよく研究するようすすめています。
どうしてかというと洋化のすすむなかで、
ここの会社は半独占的な位置にあり、
しかも売上げの半分が計上益という高収益の会社だからです。
使い捨ての注射器をつくる山東威高と並んで
「高い株ほどよく上がる」典型の片棒ですから、
しばらく辛抱しておれば、
また無償倍額増資にめぐりあう可能性は
大なのではないでしょうか。
但し、私がそう言っても鵜呑みにしないで
ご自分でよく研究して下さい。


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2011年9月23日(金)

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