中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4215回
亨泰の大成長には少くとも3年か5年

あともう1つ、私が邱友会で
「亨泰の株は0.30ドルになったら買いだ」
と言ったのも全くの嘘っぱちです。
なぜ私が言う筈もないことを私が言ったというのか
理解に苦しみますが、もしかして私がそう言ったことにしたら、
亨泰の株を投げ売りする人が出て、
安くなった所をさらうチャンスがあると考えたからでしょうか。

なぜ私がそんなことを絶対に言う立場にいないかというと、
私は既にかなりの株数を持っていて、
董事長さんには及ばないまでも、
どこで株の買い増しをするか、考える立場にいるからです。
私が亨泰の株に目をつけたのは、
私が中国の食糧のことを真剣に考えるようになる前からで、
今後、人民元が高くなる方に動くとすれば、
輸出に従事する企業よりも
輸入で稼げる企業の方が有利ではないかと調べているうちに
視界に入ってきたこの会社だったのです。

とりわけ化粧品や日用品だけでなく食糧の輸入に従事しており、
中国人の所得がふえれば仕事がふえるだけでなく、
人民元高でコストが下がるともっと有利になると思って
あれこれ調べて見ると、欧米の加工食品だけでなく、
タイでつくった生野菜を冷蔵して輸入して
スーパーに卸していることがわかりました。
そこで会社に申し込んで
上海や中山にある販売基地を見せてもらいましたが、
この時、既に会社は江西省に土地を買って
農作物の大量生産に着手していました。

私は工業化がすすめば、
日本や台湾や韓国と同じように中国も
人口の半分を養う食糧が不足するようになるという危機感を持ち、
同じ上場会社の中でも超大現代農業と
緑色食品の事業内容に興味を持ち、
その営業利益の高いのに一驚していましたから、
亨泰の経営者たちともたちまち親しくつきあうようになり、
1つの農園だったのを合計5万畝(1000万坪)に及ぶ
3つの農園に拡げる手伝いもするようになったのです。
こんな事業は形になるまでに少くとも3年や5年はかかるなあ、
というのが偽らぬ私の見方であり、また株に手を出す動機ですから、
株価が上がったら明日にも売って逃げようという人たちとは
そもそも気構えが違うのです。


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2011年9月24日(土)

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