中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4220回
今になって見るとやっぱり「不動産は一番」

事業をやっている人は別として、
ごく一般の人の財産調べをしたら、
一番大きな部分を占めているのは不動産ではないでしょうか。
無一文に近い状態で社会に出た人でも、少々貯蓄ができると、
先ずマイホームづくりからスタートします。
住居は値段の高い物ですから、
いきなり全額払い込んで手に入れるのは先ず無理ですから、
長期月賦で手に入れるか、
親戚中、借り歩いてやっと手に入れるのが普通です。

思わぬお金が手に入って大家をつとめるようになった人でも、
不動産は何はおいても一番大切な財産です。
とり分け高度成長期は毎年のように
不動産の値上がりが続きましたので、
不動産を手に入れることは人生の中の一大事でした。

私自身も少し身入りがあるようになると、
先ず自分の住むマンションや住宅を買うことからはじめましたが、
たまたま株と縁があって株で思わぬ利益にあずかった時も、
株をやる資金は残して、まとまったお金で自分の家をつくったり、
家賃収入のあるビルを建てたりしました。
不動産が値上がりして処分すると、
大へんな所得が発生して課税されますので
収入のある不動産は売却することをやめて、
気がついて見たら、ちょっとした大家さんになっていました。

ですから、「株の神様」として売り出したのに、
高度成長のさなかで「不動産が一番」という
これもベスト・セラーズになった本も書きました。
それから間もなくバブルがはじけ、不動産は大暴落をして
「どっちなんだ」と嫌味を言われもしましたが、
それから幾山河こえて、
1つずつ時代遅れになった事業を整理して行くと、
何と最後に残ったのは不動産と株で、
株は昨今のように弱気が続くと、
逃げ出す人も少くありませんが、
その点、不動産は収入もあるし、
と言って売るにも売れませんから最後まで手元に残っています。
ですから幾山河越えて見ると、
本当に「不動産は一番」なのかも知れませんね。


←前回記事へ

2011年9月29日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ