中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4230回
このままでは日本中がバカになる

テレビが暇つぶしの最高の道具として普及してしまったので、
イケメンと呼ばれるカッコのいい若者たちが
続々と画面に登場するようになりました。
カッコのいい若者の方が感じがいいし、
NHKでさえ視聴率を考えて
そういう神経の使い方をするようになりましたが、
何しろ一番多い番組が「味オンチの食べ歩き」と
「低能人のクイズ」ときているので、
スイッチをきらないようにガマンするのが
容易でない人がふえているのではないでしょうか。

「天は二物をあたえず」と昔から言われているように、
男でも才色兼備した人は滅多にいません。
頭の回転のいい人は美貌に恵まれていることが少く、
美貌に恵まれた人は頭の回転が悪いのが普通です。
ですからイケメンを登場させることに
不平不満を言っているわけではありませんが、
視聴者に頭を使わせる番組を
割り込ませる工夫をしたらどうでしょうか。
さもないと、頭を使わない人ばかりになって
一億総白痴が促進される心配があります。

この頃はアンケートをとると、若者の間においてさえ、
「出世しなくてもよい」
「生活保障制度の世話になってもいい」
という人がふえているそうですが、
そうした風潮が拡がったのも、テレビを見ているだけで
何も考えない人がふえたせいではないでしょうか。

定年退職者がふえて、
一日中何もやることのない人にとっては、
物を考える時間をあたえないテレビは
時間潰しにもって来いでしょうが、
日本の国の次の時代を大きく左右する若者たちが
球ころがしと球蹴りに夢中になっているだけでは、
日本の将来が思いやれれます。

「老いのくりごと」と受けとられるかも知れませんが、
日本の将来を方向づける教育について
テレビの役割はバカにならないのではないでしょうか。
事業経営に重きをおくだけでなく、
日本の将来の方向づけに力を入れるテレビの経営者の出現を
熱望するのは私一人だけでしょうか。


←前回記事へ

2011年10月9日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ