中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4231回
イケメンはテレビに出すより親善大使に

昔、倭寇と呼ばれた日本人の海賊が
朝鮮から大陸を略奪してまわったことがあります。
秀吉が禁令を出してから後を絶ちましたが、
倭とは背の低い人、という意味ですから、
中国大陸の人から見ると、
日本人は背の低い人たちだったのです。

日本人が小っぽけな人だと思われたのはずっと昔からです。
ですから唐の時代に遣唐使を送り出した頃から、
日本人は風采の上がらない背の低い人として扱われ、
バカにされていました。
それは必らずしも事実ではなかったので、
弘法大師からはじまって、阿倍仲麻呂、
さてはその後に続く留学生たちは
いずれも唐の朝廷からバカにされないために、
今日で言うイケメンを選りすぐって長安の都へ送り出されたのです。

イケメンはいつの時代でも感じはいいし、
人当たりのいい人が多かったので、行く先々で歓迎を受けました。
遣唐使が唐の都で快く受け入れられ、
則天武后の食事に招ばれたことも記録に残っています。
ですから、多くの視聴者に喜ばれるために、
テレビ局が日本国中のイケメンを狩り集めて
朝から晩までスクリーンに登場させるのも
決して偶然ではありません。

でも朝から晩までイケメンで番組を埋めてしまうと、
見ている人は「世の中、これでいいのか」と
考える時間がなくなってしまいます。
その上、番組と番組の間に割り込むコマーシャルが
1人ですすむところを5人も10人も登場させ、
しかも素早く手足を動かしてそれでおしまいになると、
何の広告をしているのかさえ、
見ている人の頭の中に入ってくるいとまがなくなってしまいます。

最近のコマーシャルが過去に類例を見ないほど
低劣と思うのは私一人だけでしょうか。
それとも私の頭の対応が鈍くなって
画面の変化について行けなくなったのでしょうか。
日本を代表するイケメンは日本のテレビ局にだけ集めずに、
親善大使として世界中に送り出したらどうでしょうか。


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2011年10月10日(月)

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