中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4232回
10年でアジアはどう変わる?

私がいま一番関心を持っていることは、
これからの10年にアジアはどう変化するだろうかということです。
アジアの中心は恐らく中国になるだろうし、
それに対して日本はどういう位置におかれ、
どんな役割を果たすかはまだ未知数です。
中国と覇を争って、インドと結んだり、
中国をとりまく国々と結んで、
中国と睨み合うことも全くあり得ないことではありませんが、
戦争がグローバル化の時代に全く割りに合わないことは
いまや衆知の時代なので、
武力よりは経済力で争う時代になることは
先ず間違いないと思います。

それでも遠くと結んで
隣りと争うことは人間のやりたがることですから、
代が変わっても今とあまり変わらないことも考えられます。
しかし、経済力の衰退するアメリカと、
年に10%前後のスピードで成長する中国では
10年もたてば大きな差がつき、
世界の主導権がアメリカから
中国を中心としたアジアに移ることは
先ず間違いないのではないでしょうか。

そのプロセスで日本の企業と資金が円高と増税に耐えかねて、
海外に大量に移動し、逆に中国に貯まった大量の資金が
日本はもとよりのこと、資源国やアメリカ、
ヨーロッパにまで投資されるようになると、
世界の経済地図が大きく変わることになります。

私は20年も前からこういう動きを予想し、
「金庫は香港において、
アジアで有利な商売のできる地域で事業をやること」をすすめ、
また自分もそれを実行してきました。
個人のやることなど大成功したとしても
大したことはありませんが、
震災後の日本が財政難と円高に見舞われると、
「日本を見捨てる富裕層」とか、
「日本車が(日本から)消える」とか、
高齢化と財政困難と企業の大移動に悩む日本の姿が
雑誌の大特集の対象になってきました。
そんなこと、私に言わせると、
20年も前にわかっていたことです。
でもこれから考えても間に合わないことではありませんし、
いよいよ真剣に取り組む時が来たのではないでしょうか。


←前回記事へ

2011年10月11日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ