第4233回
逃げたお金がアジアに帰ってきます
アメリカの株が暴落したり、ヨーロッパの株が暴落すると、
それに右へならえとばかりに、日本をはじめ、
香港や台湾やシンガポールの株まで暴落します。
アメリカの株の今回の暴落は
米債の格下げがきっかけになっていますが、
本当はリーマン・ショック以来の低迷から
アメリカ経済の恢復が思わしくなく、
次はバンク・オブ・アメリカの番じゃないかという噂が
ちらほらしているからです。
その上、ギリシャの救済がおもわしくなく、
それがポルトガルやスペインや、更にイタリアにまで伝染すると、
ユーロの解体につながると、
噂が噂を呼んで更に一段の株安を促しているのです。
いま何が起っているかというと、
金本位制を離脱してペーパー・マネーに移ってからの
先進各国のルーズな財政のツケが
まわってきていると考えていいのではないでしょうか。
しかし、これで紙本位制のおしまいがくるわけではなく、
ユーロにしてもさまざまの対策をとるでしょうし、
世界中見渡すと、中国のように毎年10%に近い成長を遂げて
厖大な外貨準備を積み上げている国もあります。
世界中が通貨の伝染病で寝込むのも
そういつまでも続くわけではありません。
いまのところ、株価は通貨の伝染病より早いスピードで
世界中につながっていますが、
ヨーロッパのピンチが小康を得て、
アメリカが汗をふく徴候が見えたら、
年8%の成長が続いている中国や香港の市場から
陽が射しはじめると見てよいのではないでしょうか。
成長率が9%から8%に下がるから、
中国株が下がるのだと解説している日本の新聞がありますが、
本当は欧米市場の影響であって、
中国が不景気に見舞われているからではありません。
国慶節の休暇中の人やお金の動きを見てもわかります。
不況どころか、切符は全部売り切れで、
片道しか切符を買っていない人は家に帰れなくなっているのです。
香港市場が早くニューヨーク市場と違う動きになるといいですね。
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