中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4239回
不動産株と銀行株は避けて通りましょう

これから10年の間に、中国の消費が3倍に伸びるとしたら、
どういう分野に伸びるか、
またどんな伸び方をするかを予見できれば、
対応次第で、事業で産をなすこともできれば、
株に投資して大儲けをすることもできます。

私はずっと前から衣食住の中の食に注目してきました。
日本の高度成長のプロセスを見てもわかることですが、
経済が成長して懐具合がよくなると、
真っ先にはじまるのは住のブームです。
不動産の値上がりです。日本でもそうでしたが、
中国でもこの10年で不動産の値上がりに皆の関心が集まり、
何かと言うと
どこのマンションが何倍になったという話ばっかりです。

不動産の値上がりは、値上がりの途中でも必らず躓づきがあり、
その度に破産する業者も後を絶ちませんが、
10年もたてば財産自体が大きく成長して人々を裕福にします。
しかし、人間の住む家は原則的に一軒あれば足りますから、
ほぼ需要が充たされると、産業界も成長が鈍化して
不況の色合いが濃くなります。
不動産の値上がりを見越して
先行投資をする人は後を絶ちませんが、
日本でもアメリカでも先取りが生命取りになって、
ローンの支払いをすることができなくなって
不良債務が大量に発生して産業界の入れ替わりがはじまります。

多分、中国もその例外であるというわけには行かないでしょう。
そういうことがわかっていても、
そこを避けて通り抜けることはできないのです。
ですから中国でも次の10年の間に
他の先進国で起ったと同じことが必らず起ると見ています。
私たちにできることは、そういうことが起った時に
その被害をまともに受けないように手を打っておくことです。
株をやっている人について言えば、
不動産株は只になった株は別として、
次の10年の投資対象にしないことです。
そのプロセスで大量の不良債権を抱え込むことになりますから、
銀行株もその仲間に加えていいのではないでしょうか。


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2011年10月18日(火)

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