中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4240回
必らず食糧の不足に見舞われます

これから10年、中国の不動産ブームは
一応飽和状態になって往年の勢いを失うとしても、
輸出も国内消費もそんなに落ち込みませんので、
産業界の人手不足は続き、賃上げも続くと私は見ています。

すると、お金は衣と食、なかでも食に向うことになります。
工業化によって所得は大量にふえますが、
工業先進国である日本や韓国や
それに続く台湾の側を見てもわかるように、
人口の半分を養う食糧が不足して
海外からの輸入に頼るようになります。
工業化すれば工業製品を大量に輸出してお金は持っていますから
払うお金に困ることはありません。
小麦や大豆なら7,000万人の代金を払うくらいのことは
へっちゃらです。

但し、13億人も人のいる中国で同じことが起ると、
工業製品の輸出によって払うお金はありますが、
7億人分の食糧を提供してくれる国はどこにもありません。
それでも払うお金はありますから、輸入を強行すれば、
さしあたり払うお金のないアフリカの人たちが飢餓にさらされます。
もちろん、その前に食糧の大暴騰に見舞われるでしょう。
ですから工業化のすすむ過程で、
中国は食糧の自給自足に全力をあげるよりほかなくなると
私は見ています。

食糧が不足するだけでなく、
今よりもっと金持ちになれば、
中国人の食べる物の内容に大きな変化があります。
食うや食わずの時代には
とうもろこしや大豆を食べてすませた人でも
とうもろこしや大豆は鶏や豚や牛に食べさせて
自分たちはもう少しお金のかかった
高級な食品を食べるようになります。
豚肉や卵や高級野菜などが真先に値上がりをし、
それに神経をとがらせた役人がおさえ込みに必死になっている姿が
皆さんの目にも浮んでくるのではないでしょうか。
おかげで食肉から野菜まで
食品の株価も恐ろしく値下がりしていますが、
私に言わせると
今こそ鞍替えをする絶好のチャンスではないでしょうか。
少々、時間はかかりますが。


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2011年10月19日(水)

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