中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4241回
温州を皮切りにバブルの発生が

温州と言えば、私は中国のミラノという印象を持っています。
ヨーロッパ中の有名ブランドの下請けをしていますが、
衣類だけでなく、靴からメガネからライターまで
中国を代表する輸出メーカーは
ほとんどがここからはじまっています。

何しろ目から鼻に抜けるほど利にさとい集団のふるさとですから、
気がついて見たら中国じゅうの不動産の買占めも
温州商人ということになってしまいました。
ついこの間も私はしばらくぶりに温州に行きましたが、
郊外に高層ビルが林立して
全く別の一大新興都市に一新していました。

その花型都市でこの夏に新幹線の大事故が発生して
世界中をびっくりさせましたが、
秋になると、中国の最先端を走っているだけに
金融パニックが発生して、
町中がひっくりかえらんばかりの大騒ぎになっています。
ことに政府が金融引締めのために何回となく金利を上げたり、
預金準備率を引き上げたりしていますが、
中国じゅうで一番投機の盛んな温州だけに
銀行からお金が借りられなくなると、
何と金ぐりに困った企業が町の高利貸の金に手を出すようになり、
それがきっかけで金ぐりのつかなくなった産業界で
大混乱が起って、輸出産業のトップが次々と夜逃げをしたり、
ビルからとびおりるようになってしまったのです。

中国じゅうで一番早くから不動産の買占めに走った
温州商人たちの本拠地でバブルが発生したのですから、
それッいよいよ中国に番が廻ってきたぞという声が
とび出してきました。
銀行が金融引締めをやったら、
先ず中国じゅうを荒らしまくった投機家たちが
金ぐりに困るようになり、
それがメーカーや輸出業者にまで将棋倒しになったのを見ると
ひと度、バブルがはじけると
銀行が融資先の首も締めにかかるのです。
するとそれがまた銀行にはねかえってきますから、
いよいよ本番がはじまるのではないでしょうか。
私は中国のバブルは
再来年頃にはじまるのではないかと言ってきましたが、
もしかしたら温州を皮切りに
全国に伝染するのではないでしょうか。


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2011年10月20日(木)

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