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第4247回
将来の農業ともかかわりのある中国聯塑

中国聯塑は中国におけるプラスチック・パイプのトップ銘柄です。
プラスチック・パイプのメーカーは中国にかなりあって、
その中で中国聯塑は業界の12%を占めており、
大へんな勢いで強気の増産を続けているので、
3年くらいの間に20%くらいにはなるだろうという発言でした。

私たちにとってプラスチックのパイプは
さほど珍しいものでもないので、ずっと見落していましたが、
最近になって農業灌漑のために政府が大量に
プラスチック・パイプを発注するのではないかという噂が拡がり、
中国聯塑の株価は2ドル台から7ドル台まで急暴騰しました。
昔は灌漑用水と言えば、
コンクリートの溝で間に合っていましたが、
大規模農業がはじまると、
プラスチックのパイプがその役割をはたすようになります。

中央政府の水利局長から発表があって
灌漑施設のために向う10年に4兆元の予算を組むというので、
プラスチック・パイプが俄かに脚光を浴びるようになったのです。
そういう関心もあって私たちはわざわざ順徳の片田舎にある
中国聯塑の本社工場を訪問したのですが、
一まわりするだけでも大へんな距離を歩かされる大工場でしたが、
「農業用パイプは?」と質問すると、
「工場や都市のパイプの供給に追いまくられていて、
いずれ将来はあり得るでしょう」という気のない返事でした。

しかし、プラスチック・パイプは増産に次ぐ増産で、
株価は大暴落で7ドル台から3ドル台まで売り込まれていますが、
会社の増産と増益で、少し景気が戻ったら
下げた分はすぐに埋めつくす勢いです。
会社の事業計画を見ると、利益もふえるし、
配当も見込めるので、
人気を呼ぶ銘柄の一つになることに間違いはないでしょう。
トップが出て来ませんでしたので、
どんな経営かを知ることはできませんでしたが、
何しろ金が儲かっていますから、
プロの注目する銘柄の一つと見てよいでしょう。


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2011年10月26日(水)

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