中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4249回
亨泰は株主を大事にしています

永保林業の視察を終えたその日の午後は、
同じ中山市にある亨泰の華南基地を訪問しました。
この基地は以前も訪れたことがあり、
広東省、福建省から香港、澳門まで
スーパーや食料品店に世界中から輸入した加工食品や
タイ国から輸入して供給している生鮮野菜の加工場もあります。
最近は広東省でも大型農場で
野菜の自社生産もやるようになったので、
ここで加工して香港の直売チェーンに出荷しています。

私は人民元が切り上げられれば
輸出業より輸入業が有利になると考えて
あれこれ物色をしているうちに亨泰が目についたのですが、
会社の首脳陣と接触するようになってから、
亨泰が大規模農場の経営に着手していることを知らされました。
川上の事業をやっている企業が川下の事業に手を出すのは
容易なことではありませんが、
既に販売ルートを確立した企業が
仕入れている商品の生産に乗り出すのなら
そんなに難しいことではないし、
しかも取り扱っている商品が将来、
強気に推移することがはっきりしている食料ですから、
私は将来性のある業種の1つとして目をつけたのです。

それから3倍、4倍まで値上がりしていたのが
株価大暴落のあふりを食ったのと、
食品インフレに対する政府の抑制策にたたられて
元の黙阿弥になるまで売り叩かれています。
業績も前期の6割まで利潤が減少していますが、
私は「この会社は株主を大事にしている会社だということを
株主にわかるようにして下さい」と申し込んだら、
現金配当は無配でも5%の特別株配が発表されました。
いまは農産物の売上げが全売上げの40%を占めていますが、
あまり遠くない将来に70%までふやす計画なので
現在20%の利益率が年と共に上昇することが期待されます。
但し、天気にも国の政策にも左右される農産物のことですから、
短気勝負で株をやっている人には向いていません。
売り叩かれたら、その度にナンピンをかける銘柄の1つだなと
私は思っています。


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2011年10月28日(金)

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