中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4250回
勝利管道に漸く朝日が

中山市に二晩泊った翌日、
マカオに出て新しく開業した賭博場のために
建てられたホテルに1泊しました。
私はバクチには興味がないし、
頭を使わないで運に任せる人生は送らない主義なので、
マカオに泊る時は文字通り人生双六で一回休みの時です。

その翌日に香港に出て、朝は勝利管道、
午後は四環医薬のそれぞれの責任者の講釈を受けました。
勝利管道はご承知のように、
石油やガソリンや天然ガスを輸送する鉄のパイプのメーカーで、
中国は石油の消費量がアメリカの半分に達したのに、
輸送パイプはまだ10分の1にも達していません。
輸送の効率と安全のためにも絶対に必要なものですが、
その半面、どんなスピードで布設するかは
国の政策に大きく左右されます。

最近で言えば、ビルマから雲南省へのパイプ・ラインと
シベリアから新疆省へのパイプ・ラインがやっと調印されましたが、
国内の工事は国策によってずっとお預けになってきました。
ですからパイプ・メーカー7社の中で
トップにある珠江鋼管もこの勝利管道も減収減益に追い込まれ、
株価も大下がりに下がってしまいました。
国の計画があってそれが入札に至るまでに
かなりの時間がかかるので今か今かと待ちくたびれていましたが、
漸く成果が現われるようになって、
勝利管道も本年度上半期は前期比営業額が35%、
利益率が72%も減額になっていたのが、
下半期から恢復をはじめ、勝利管道だけでも
向う5年には受注が倍になる見込みだという報告を受けました。

株価も2ドル台からたったの60セントまで下げていますが、
70セントで董事長の持株が
現経営陣に配分されたと報告を受けました。
これで下値を確認したようなものですから、
ナンピンをかけてもいい水準に
達したと言えるのではないでしょうか。
水の不足と石油の不足は片時の油断もできないことですから、
もうしばらくしたら
投資家たちの注目の的になると考えていいでしょう。


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2011年10月29日(土)

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