中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4306回
水は次の時代の成長産業です

中国は都市化と工業化によって
1年に4%ずつ水が不足すると計算されています。
僅か4%でもそれを補充する道がひらかれていなければ、
10年で大へんなことになってしまいます。

ですからどこの都市でも行政を司る役人たちは
「水は大丈夫ですか?」ときかれただけで
表情が蒼ざめてしまいます。
そういう場合に直面したおかげで、
中国水務も中国光大国際も下駄を預けられ、
年々業績を伸ばすことができました。
それでも潜在需要は消化しきれないくらいあり、
最近では水処理に進出する企業がいくらでもあるようになり、
そのなかでも北控水務が奇跡的な成長の只中にあります。
もともと小さな企業だったのが
北京市の主催する北京控股の傘下に入り、
全国で同じ問題を抱えた省に話を持ちかけると、
それらの都市の首長たちが一も二もなく
とびつく相手だからだと私は見ています。

一口に水と言っても、
上水道の問題もあれば下水道の問題もあります。
都市や工業団地の用水を開発して水の供給をふやせば、
使用された瞬間から汚水に変わります。
その汚水の処理から再生まで、仕事は無数にあるだけでなく、
時代と共にふえる方向にあります。
ですから水処理の事業は不足する方向にあるだけでなく、
景気不景気に拘わらずふえる方向にあります。

恐らく水の再生をしても、
淡水の処理をしても間に合わない時がやがて来るでしょう。
既に天津あたりでも海水の淡水化が企業化されていますが、
そうした事業の先駆者である
シンガポールの海水処理の上場会社を考察団を引率して
見学に行ったことがあります。

こうした水処理事業は景気不景気に左右されないばかりでなく、
生活に欠くことのできないものですから、
住民の生活のレベルが上がると共に
確実に成長することが約束されています。
たかが水と思うなかれ。
水がなければ生活にも生命にも支障をきたすとなるし、
それを扱う企業は成長を約束されていると考えても
先ず間違いはないでしょう。


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2011年12月24日(土)

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