中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4309回
ワインの空瓶が1本2000元

ご承知と思いますが、
最近の中国で最も人気のある食品は
日本の粉ミルクとフランスの超高級ワインです。
皆が豊かになったばかりでなく、途轍もない成金が続出したので、
1本何十万円もするようなワインでもとぶように売れるのです。

ですからことしも香港のオークションで、
フランスの高級ワインが
一抱えで何千万円もの超高価で落札されました。
それならフンフンですまされますが、
私が香港から北京に着くと、ワインの飲み終わった空瓶が
1本2000元で売れる話をきかされました。
ロマネコンティやペトリウスでなくて、
その次のランクくらいのワインの飲み終ったあとの空瓶が
1本2万5000円で売れるというのです。
「どうしてですか?」ときいたら、
「偽物を詰めて売るためです」という返事がかえってきました。
空瓶の5倍か10倍にでも売れれば、丸儲けというわけです。

私は10年前に北京で人から
ペトリウスのワインをプレゼントされたことがあります。
びっくりして発売した百貨店まで尋ねて行ったら、
「1万2000元で売りました、でも在庫はあの1本だけですよ」
という返事がかえってきました。
10年前はそれでも大へんなことでしたが、
今は香港どころか、パリまででも
ボルドーまででも仕入れに行きます。
そこまで行かなくても、北京で古い瓶を買って来て
偽物を臆面もなく売る悪徳業者もあるのです。

同じように森永や明治の粉ミルクの空カンも
いい値段で売れるそうです。
空カンを使って偽物の粉ミルクを詰めて売るのだそうです。
大事な赤ちゃんに高いお金を払って
ワケのわからない偽物をつかまされるのですから、
中国のお母さんたちの苦労も並大抵のことではありません。
どうして中国には良心のない人が
こんなにもたくさんいるのでしょうか。

そういう連中をやっつける方法はないものでしょうか。
それがあるんです。
本物を売ればいいのですから、
チャンスだと思いませんか、日本人は。


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2011年12月27日(火)

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