中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4348回
これからの日本に必要なのは働く場所です

日本はこれから失業者がふえる一方ですから、
どうやったら失業者を減らせるかが国をあげての大問題です。
年功序列給が罷り通っていた頃は、
定年を55歳から1年か2年引き上げるのにも
大へんな抵抗がありました。
定年を60歳まで引き上げるのに
何と10年以上も時間がかかったのです。

技術者を会社に引き止めるためにも、
また社員の愛社精神を鼓舞するためにも
年功序列給は役に立ちますが、
会社にそれだけゆとりがなくなると、
年功序列給どころか、正社員を減らして
派遣社員で間に合わせるようになったのは、
皆さん、ご存じの通りです。

昨今では定年退職後も、給与は減らして
会社に残ってもらうのが珍しくなくなりましたが、
男性の平均寿命が80歳に届くようになると、
まさか死ぬまで働いてもらうわけにも行かないので、
年金をもらう人と、生活保護費をもらう人がふえる一方です。
国としてはその負担をするだけでも大へんなことになります。

その上、これまであった仕事が減るということになると、
失業者がふえるだけでなく、
親がかり、国がかりで働かなくなる若者もふえ続けるので、
かつてはヨーロッパやアメリカのことだとばかり思っていた
失業者の大群が他人事ではなくなってしまいます。

国に負担能力がある間は、
まあ、それでも何とかなるでしょうが、
それをオーバーする日が来ることは目に見えてきます。
その時のことはその時の人たちに考えてもらえばよいことですが、
誰が考えても他人に迷惑をかけないですむだけの対策をとること、
また社会としては失業者を出さないですむように、
仕事をふやす必要があるのではないでしょうか。
仕事、仕事、仕事、役に立たない仕事でも
人が飯の食えるだけの仕事をつくり出してくれる天才は
いないものでしょうか。
ヒマつぶしはもうたくさんですから、
日本人にやれる仕事を次々と発明する能力を持った
産業界の天才はいないものでしょうか。


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2012年2月4日(土)

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