第4352回
食品加工のオートメ化は日本が大先輩
日本の場合は、人手不足のさなかで石油ショックに見舞われたので、
製品のコストを下げるために省力産業に力を入れました。
もう1つは石油が大暴騰したので、
ガソリンが少なくてすむ省エネの工夫が目標になりました。
この2つの目標が達成できなければ、
日本の産業界は沈没しています。
ですから、日本国中が必死になって知恵を搾りました。
その結果、メイド・イン・ジャパンは
石油ショック以前より世界中に売れるようになり、
世界中からより高く評価されるようになったのです。
「ピンチこそ最大のチャンス」であることに間違いはありません。
中国の場合は、やっと働く人に
働くところのある時点まで到達しました。
人手不足がはじまると先ず経営者がおびやかされます。
ですから私は何年も前から自
分と関係のある企業の経営者たちに対しては、
「毎年20%ずつ人件費が上昇することを前提とした
プランを立てるように」と指示しています。
そうなると、次はほとんどの事業が生活必需品、
なかでも食料品に集中しますから、
機械と設備だけで製品を完成させる必要に迫られるようになります。
ここのところ、ずっと大規模農業が頭にありましたが、
それが消費者の口に届くまでに、加工と流通を必要とします。
どちらも人手を必要とする仕事ですが、
なるべく人手を要しないようにするということになると、
食品加工は完全オートメ化は先ず避けられません。
実はこれはまだ食品加工のプロセスに
衛生上のトラブルがあったり、
異物が混入する危険がある中国にとって、
どうしても避けて通れないネックなのです。
そうした面で、日本は中国の大先輩なのです。
経済成長が終ってから、もう20年以上もたちましたが、
日本の産業界はずっと居眠りしていたわけではありません。
人を使わないで、且つ衛生に配慮した
日本の食品加工のオートメ化は
これから中国が見習うべき日本の大へんな生産技術なのです。
日本にいただけではわからないことですが。
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