中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4353回
国際間の格差を狙えばいいのです

今から10年くらい前に、
これから日本で事業に成功して大金持ちになる人は、
国際間の価格の格差をうまく活用して
その差額を稼ぐ人だろうと予言したことがあります。
グローバル化がすすんで、
人も物もお金も自由に行き来するようになるのに、
物の値段と労賃は国によってまだまだ大きなひらきがあるからです。

たとえば、縫製加工品なら日本と中国で
3割から5割くらいのひらきがあります。
肉類なら日本は中国の6倍、野菜類に至っては10倍もしています。
ですから中国で日本人が欲しがる物をつくって
日本へ持って来て売れば、かなりの利益になります。
にも拘らず、それをやる人がいないのは、
さまざまなハードルがあって、
それをうまく乗り越えるのが容易でなかったからです。

現に、上海や北京に行けば、衣類は日本の半分か、
3分の1で手に入りました。
でもそれを仕入れて日本へ持って帰っても
日本人のセンスに合わないので誰も買ってくれません。
ですから日本で売るためには
日本人の嗜好に合った物を日本でデザインして、
それを中国に持って行って中国の安い賃銀で製品にして
また日本に持って帰ってくるよりほかありません。

最初の頃は日本人の目にかなう素材も
中国にはありませんでしたから、
素材はヨーロッパか日本で仕入れて、中国に持って行って、
中国の保税システムをうまく利用して、
その差額を稼ぐことからスタートするよりほかありませんでした。
やっているうちに縫製加工の腕も急速に上達しますが、
繊細な品質も急速に改善したので、
販売も大へんなスピードで拡張しました。
それが儲けにつながったのです。

そればかりでなく、日本で販売して成功した製品を
アメリカやヨーロッパだけでなく、
製造基地の中国で販売できるようになったので、
ユニクロの創業者はあッという間に
所得日本一の大富豪ということになったのです。
これと似たようなことを他業種でやれれば
同じ結果をもたらすと思いませんか。


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2012年2月9日(木)

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