中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4356回
養豚事業のオートメ化も新事業の1つ

私は中国の豚肉の値段は
日本の6分の1だという話をしたことがあります。
「ですから中国で豚肉を加工して日本に売ることができたら
ユニクロより儲かりますよ」と、
ユニクロの社長さんに冗談半分に喋ったことがあります。

でもその後、中国の経済は急速に成長して
豚肉に対する需要もふえて、
今では、日本の3分の1まで値上がりしてしまいました。
ですから毒入りギョウザをつくって日本に輸出するよりも、
中国で先ず養豚のオートメ化をやって、
その加工も完全オートメ化をして、
毒を入れるスキをあたえないようにする方が
先だということになります。

但し、日本人の立場に立って考えると、
豚肉の値段は中国の3倍もしている上に、
日本で生産した分だけ右から左に売れるし、
それでもなお不足が続いているのですから、
何もわざわざ中国まで出稼ぎに行く必要なんかないのです。
現に日本のオートメ養豚業者が、
事業を更に大きくしようと思えば、
日本国内で事業を拡張すればいいのです。

それをわざわざ中国まで行ってやるとなれば、
それは中国人のためということになるし、
日本人が世界的規模で事業を展開する過程で
中国でやれる将来性のある事業の1つだということになります。
中国人は日本人より人真似にたけているし、
とりわけお金儲けには熱心ですから、
現にこの記事を見ただけで
すぐにも血眼になる人だっているかも知れません。

ですから中国人がそれをやる前に
日本の企業が大陸に渡って日本でやったと同じことをやる
絶好のタイミングだと思えばいいのです。
そもそも
「これは日本人のやること」
「これは中国人のやること」といちいち区別するのは、
国別に物を考える時代の発想です。
そのうちに世界は1つになるのですから、
世界のどこにどんな金儲けのタネがあるかを考えればいいのです。
そうしたレベルで物を見ると、養豚事業のオートメ化は
所得の上昇と人手不足に悩む中国にとって
目の醒めるような新事業の1つに数えられるのではないでしょうか。


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2012年2月12日(日)

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