中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4362回
それでも円高はまだ続きます

グローバル化の時代と言われていますが、
一番グローバル化の遅れているのは、
国にこだわる人の物の考え方で、
一番進んでいるのはお金です。
何かというと、「日本の国は」とか「日本人は」と言う人は
狭い国の垣根の中からしか世界を見ていないので、
見える景色に限りがあります。

もう一方のお金は世間の動きに敏感ですから、
「危いぞ」と思ったら難破船の鼠よりいち早く
安全な国へ逃げ出します。
また儲かるチャンスがあるぞとわかったら、
垣根がどんなに高くてもそれを乗り越えて違う国へ駆け込みます。

でもお金の動きが常に正しいとは限りません。
お金を動かしているのは人間だからです。
アメリカやヨーロッパでお金を動かしている人は、
アメリカが危いと思ったら、
ヨーロッパに逃げ込みますし、
ヨーロッパが危いと思ったら、
日本や香港や台湾にでも駈け込みます。

本当は日本だって危いのですが、
日本は政府に借金があっても
政府にお金を貸しているのは日本人だけで、
外国からお金を借りていません。
その上、外貨準備は中国に次いでたくさんあるし、
外国にたくさん投資もしているし、
外国の銀行にもお金を貸しています。
ですから世界中をうろついているお金の持主の目から見ると、
アメリカやヨーロッパよりはずっと安全なのです。

ここのところで、
ユーロの国々が借金の返済を値切ったり、
増値税の値上げをすればユーロは更に一段と値下がりしますから、
只でさえ不当に高いと日本人から思われている円が
更に一段と値上がりすることが考えられます。
その分だけ日本が高く評価されているのですから
「それ見ろ、日本は世界中で一番高く評価されているんだぞ」
ということになりますが、
お金の方はいよいよ恐ろしがって逃げ場を探しにかかっています。
なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか
という本を一度ごらんになったらいかがですか。


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2012年2月18日(土)

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