中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4363回
「なぜ日本は破綻寸前なのに」のご一読を

新聞の広告を見たので、すぐ本屋に行って藤巻健史さんの
「なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか」
(幻冬舎刊 定価本体:952円+税)を買ってきて一読しました。
今、日本国中が最大の関心を持っているテーマだし、
「2012年、国債、円、株が大暴落する可能性大!」
ということになると、
真剣にこのことが頭にある人にとっては
人生を左右する大問題です。

藤巻さんが取り上げている内容は
恐らく日本国中が固唾を呑んで心配していることだし、
私のようなあわて者だと、
もう20年も前から対策を考えていた事ばかりです。
私が「円が100円になる」と唱えた時は
金融のプロたちから一笑に付されましたが、
円が150円に近づくと嗤う人がいなくなりました。
でも実際に100円になるまでに9年もかかっています。

ですから藤巻さんが心配していることについても
ほとんど異議を唱える立場にありませんが、
新しい変化に対する抵抗も強いので、
そうせっかちに事は運ばないだろうと見ています。
それでいて「すべての財産を日本円のみで保有しますか?」
という反問に対して私の場合は
既に香港の返還前に対応しているので、
ここであわてる立場にはありません。
むしろみんなやっとそこまで辿りついたかと
感想を新たにしているところです。

ですから円高が続けば、
世界的スケールで事業を展開している日本の重要産業は
ほとんどが海外に移り、
やがて円高が反転して円安になることも、万一のことを考えて
資産の一部を海外に移す必要があることも
異議を唱える立場におりません。
それどころか、世の中の変化に対して
鈍感な対応しかしない日本人に
いまもやきもきさせられているところです。

というわけで、やっと自分たちの置かれた
きびしい立場に気がついた人にぜひご一読をおすすめします。
円高から円安への逆転、増税かハイパーインフレは
いずれも避けられない路程ですから、
荷を少しでも軽くする努力をする必要があるのです。


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2012年2月19日(日)

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