中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4364回
先ず外国の銀行の研究から

日本人は節約して貯めたお金の大半を
銀行か郵便局へ持って行って預けます。
株を買ったり、不動産に投資する人はごく僅かです。
戦後少し豊かになってからマイホームを買う人がふえたので、
ローンで借金する人がふえましたが、
長い間、日本人は銀行はお金を預けに行く所で、
お金を貸してもらえる所とは思っていませんでした。

ですから外国人から見ると、日本人は汗水垂らして働くのに、
稼いだお金は金融機関に持っていて遊ばせる国民でした。
それが少し改まったのは、
株式投資の大衆化がはじまってからですが、
株式投資が普及したと言ってもほんの一部の人か、
財産のほんの一部がかかわっているにすぎません。

それも国内の株式投資に限られていて、
海外は全くと言っていいほど僅かで、海外とのかかわりは
銀行とか保険会社とか証券会社とか言ったプロに限られています。
郵貯に至っては預かった資金の大半が
低金利の国債に投じられていますから、
海外には関心を持つチャンスもなく、
従って外貨とか為替相場には
さして縁のない立場におかれて今日に至っています。

現に日本では1ドル100円の時でも
ドルの売買手数料は1%という滅法な取引が続きましたが、
香港に行くとその10%で外貨に換えることができました。
ですから海外旅行に出かける人は日本の銀行で両替するよりも
香港に行くと世界中の大抵の国の紙幣にでも
10分の1のコミッションで交換することができたのです。

それがいよいよ日本にお金を持っていただけでは
将来が思いやられるということになると、
日本にいて日本の銀行だけで取引していたのでは
間に合わなくなります。
外国に行くチャンスの少い人でも、
せめて日本に支店のある外国銀行くらいは
覗いて見る必要があるのではないでしょうか。
いやいや、もっと本腰を入れて
海外投資を研究する必要があると考える人は
さしあたり香港やシンガポールに行って、
お金の出し入れが自由な国はどうなっているか
研究する必要がある時代になったのです。


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2012年2月20日(月)

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