中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4366回
お金だけでなくご本人もよく勉強を

株安が続いているさなかで、つい最近、
大規模農業をやっている亨泰が株主割当の増資を発表しました。
持株2株に対して1株の割合で、払込み金が0.2ドルです。
環境の悪い時ですから、値上がりどころか逆に売り叩かれて、
43セントだった株が
30セント近くまで売り叩かれています。

どうして売り叩かれているかというと、時期も悪いけれど、
亨泰は私が取り上げた関係もあって日本人の持株が多いからです。
東京の証券会社を通して株を買っている人は、
財務省の規制に引っかかって、増資に応ずることができず、
嫌気さして投げ売りをする人が多いからです。
株価が40セントの時に2株に1株20セントで払い込みをすれば、
1ドルが3株になりますから、1株当りが約33セントになります。
増資をしないで棄権をすると40セントのままですから、
その差額の分だけ損をすることになります。

証券会社によっては棄権した分を買ってくれる会社もありますが、
いずれにしても増資のある度に日本人はバカを見ることになります。
しかし、それは日本で外国株を買う場合だけで、
同じ日本人でも現地の証券会社で売買する場合は
現地人と同じ扱いを受けます。
ですから本格的に海外投資に従事する人は
ちゃんと現地に口座をつくって現地で売買する必要があるのです。

それをおざなりにして、持株会社の悪口を言ったり、
株の紹介をした私をあしざまに言ったりするのは
お門違いじゃないでしょうか。
株は安値の時にナンピンに応じた方が
景気が恢復した時に大きな値幅を稼げるものなのです。
まして円高で痛めつけられている日本人が
海外投資に本腰を入れる時期に来ているのですから、
お金だけでなく、ご本人も面倒臭がらずに
何回でも現地に行ってよく勉強する必要があります。
海外投資もいよいよ本番になったのですよ。
なお今回でこの連載も単行本1冊分になりました。
明日からまたテーマを変えてあとを続けますのでどうぞ宜しく。


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2012年2月22日(水)

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