中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4367回
インターネットは現代のシルク・ロード

昔々、シルクロードと言うのがありましたね。
マルコ・ポーロというイタリア人が
このシルクロードを辿って北京まで来て書いた
東方見聞録」というのを
とても興味を持って読んだことがあります。
その記述の中に、万里の長城と
纏足の話が出て来ないのはおかしい。
もしかして本当は中国まで来ていなくて、
人からきいた話を書いただけじゃないかという異論もありますが、
あの時代に馬やラクダに乗って
ヨーロッパからアジアまで来られただけでも
世紀をひらくパイオニアであったことに
異論を唱える人はいないと思います。
隣りの国に行くのだって大へんだった時代に
山賊や追剥の群なすなかをうまくくぐり抜けて
なお生命を全うすることができたのですから。

あの時代に比べれば、交通の手段もうんと発達したし、
物だって人だってお金だって
自由自在に行き来することができるようになりました。
その中でもマスコミのルートを一瞬にひらいて見せたのは
ほかならぬインターネットです。
何しろ世界中どこにいても瞬時で情報の伝達もできるし、
お互いに意見の交換もできるようになったのですから。

ですから「インターネットは現代のシルクロード」なんですね。
たったそれだけのことを思いつくのに
ずいぶん時間がかかってしまいました。
人間は過去に起ったことについては、
実際に起ったことを見ているか、教えられているので、
しっかり頭の中に刻み込まれています。
その分だけまだ起っていないことに対しては否定的で、
懐疑の眼差しを向けることになってしまいます。

コンピューターからはじまって、
パソコン、携帯電話に至るまで新事業の株に対して、
ウォーレン・バフェットさんが長い間、
手を出さなかったことがよく話題になりますが、
私だってシルク・ロードとインターネットをつなぎ合わせるのに
こんなに時間がかかっているのです。
でも皆さんだってもしかしたら同じじゃないでしょうかね。


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2012年2月23日(木)

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