中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4368
新シルク・ロードにも渋滞の心配

インターネットの機器が開発されて行く過程で、
その開発や普及に従事した人たちは
たちまちのうちに巨億の富を築き上げることができました。
マイクロ・ソフトやアップルの創業者はもとよりのこと、
パソコンを使ったちょっとした特許や
ビジネスにかかわった人だって、
気がついたら新時代の富豪に頭を並べるようになっています。

これらの人々は言って見れば、
新シルク・ロードのルートづくりをやった人たちですから、
利用者や通行人から多少の口銭をもらうことに
異議を唱える人は先ずないでしょう。
しかし、新しいシルク・ロードがひらけたおかげで
巨億の富を築いた人たちは数えきれないほど居て、
それぞれの国で高額所得者のリストに並んでいるだけでなく、
日本でも球団のオーナーをつとめたりするようになっています。

新シルク・ロードがひらかれて行くプロセスで、
その路辺で作業に従事した人は無数にいるわけですが、
このシルク・ロードに多くのビジネス・チャンスが
あることにいち早く気づき、
そうしたチャンスをうまくキャッチすることに成功した人が
新時代の成功者と言ってよいでしょう。

こうしたチャンスは
新シルク・ロードにまだまだ開拓の余地がある限り、
まだまだ続くでしょうが、グローバル化がすすみ、
社会的な要求に対応する手段が充たされるようになると、
今度はたちまち交通事故を起して
道がふさがれてしまう心配があります。
いまのところ、まだ全業界に及んでいませんが、
携帯電話には既にそういう動きが見られるし、
テレビに至っては、異常な円高のせいもありますが、
過剰生産で日本の家電メーカーが軒並み大赤字に転じています。

新技術が開発されて新商品にとってかわれない限り、
同じことをやっていたらすぐにも行き詰まる社会環境に
いま私たちはおかれているということです。
新シルク・ロードだっていつ交通渋滞を起すか、安心はできません。


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2012年2月24日(金)

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