中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4379回
次はもしかしたらベトナムか

しばらくぶりにベトナムに行って見て、
自動車のふえたのにびっくりしました。
ベトナムと言えば、ホーチミン市に行っても、
ハノイ市に行っても、オートバイだらけで、
それも川の流れのように整然と動いていて、
はじめて見た人に感動をあたえる素晴らしい光景でした。

その頃も交通事故を見た記憶はありませんが、
今度そこへ大へんな量の四輪が入れこんで
巨大な障害物が割り込んだ感じでしたが、
にも拘わらず滞在中只の一回も交通事故に出会いませんでした。
ハノイやホーチミンには交通信号のない交差点も
結構たくさんあります。
そんな交差点でも、自動車とオートバイが巧みに譲り合って
割り込みで喧嘩をしている人もいなかったし、
ホーンを鳴らす人も見られませんでした。

私の受けた印象はベトナム人は自分を守ることにたけた
世界でも稀に見る国民性を備えた人々だということです。
かつて中国やフランスや
最終的にはアメリカの統治下におかれましたが、
中国と戦争しても負けなかったし、
アメリカ軍を追っ払ったくらいですから、
世界稀に見る自己防衛力を持った国民だという印象を
改めて受けました。

いまそこへ日本の企業が大へんな勢いで移動しています。
どうしてかというと日本人と妙に馬が合うのです。
顔形も似ているし、気性も合います。
考えて見ると昔々から黒潮と親潮がベトナム沖から広東省、
福建省、台湾、沖縄、九州と往来していて、
シルク・ロードとは別の「海のシルク・ロード」に
筏を乗せて行ったり来たりしていた歴史があるのです。
ですからもともと祖先は一緒だったのではないかと私は見ています。

8500万人も人口があって、
一昔前の日本と同じ低賃金でよく働く人たちですから、
もしかしたら日本企業の大異動をする先に
なるのではないかという予感を持っています。
中国はもう人手不足で賃金もあがりはじめていますから、
次はベトナムではないでしょうか。





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2012年3月6日(火)

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