中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4382回
現地通になる必要があります

大抵の人は中国株をやる場合、
日本で日本株の取引をやった経験を
そのまま当てはめて判断しようとします。
でも国によって取引の規定だって、法律だって違うし、
株をやる人の気質や習慣だって違います。
上場会社の決算は1年に1回ですが、
香港の場合は3ヶ月に1回、業績を発表する義務があり、
半年に配当をするか、しないかは上場企業に任されています。
また決算に際して配当するかしないか、
現金配当にするか株配にするかも経営者の判断に任されています。

ですから、気前よく配当をする会社もあれば、
お金が儲かっているのにケチケチして
無配を続ける会社もあります。
配当のいい会社は株主に人気がありますから、
株価も高くまで買われるのは当然ですが、
現金配当をしないで、株配をやる会社もあれば、
逆に増資をくりかえして株主から資金を調達する会社もあります。

どうしてそういうことが行われるかというと、
中国は日本と違って大半の銀行が国営で、
政府が一声かけただけで、銀行は貸す金も貸さなくなるし、
逆に貸しているお金だって回収にかかったりして、
社長をやっている人が
真っ青になってしまうことがあり得るからです。
昨今のように産業界にピンチの続いている時は
国営企業でない限り、
手元資金を配当金で支払ってしまうことに躊躇を覚えます。

従って現金は手元に残して、株配をやるか、
逆に時価より安い値段で増資を株主に割り当てて
資金の調達をします。
問題はそうして集めた資金が
新しい利益を企業にもたらすかどうかであって、
もし1年後か2年後に業績が上昇して
株価が倍にも3倍にもなれば、株主は大きく潤うことになります。

そのへんが日本の株と勝手の違うところで
今日買って明日売りたい人には不向きですが、
新しく中国株をはじめる人にとって研究に値するテーマの1つです。
その点をよく研究して、
口座をつくる場合も対応する必要があるのではないでしょうか。


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2012年3月9日(金)

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