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第4404
勝利管道にやっと陽の目が

勝利管道は私の注目している銘柄の1つですが、
昨年度の業績が発表されました。
それを見ると、売上げが60%もふえているのに
たった5%しか利益がふえていません。
初心者が見ると、「何だ、これは」ということになって
売っ払ってしまいたくなります。

でも、会社の決算報告書をよく読んで下さい。
中国では天然ガスと石油の需要が急速に増えて、
パイプに対する施設増大を
これ以上先送りすることができなくなって、
2015年までに今までの倍まで増設する必要に迫られています。
ビルマから雲南省までのパイプ、ロシアから新疆省までのパイプ、
大陸を西から東までのパイプと目白押しの仕事があって、
それらの需要を充たすために、
同業の数社はいずれも設計投資に追われています。

勝利パイプも新疆省で企業の買収をしたり、
自社設備の改善増設に大童で、
銀行への利息だけでかなりの金額の支払いをしております。
将来への布石のために利益の計上にブレーキがかかっているのです。
また上半期の赤字を下半期の利益でカバーしているのが
今回の決算の実状です。
それでも1株につき1セント程度の配当を計上しているのは、
経営の当事者たちが株主の行列に加わったこともあるでしょうが、
株主に対する配慮がなされていると見てよいでしょう。

ですから業績の向上に本格的に参入するのは2012年度からで、
これから15年までの4年間は石油パイプ、
天然ガス・パイプの黄金時代になると見て先ず間違いないでしょう。
あわて者は目先の数字だけを見て
「何だ、これは」と私にまで唾をひっかけますが、
私のように息の長い人は
やっと三合目まで足が届いたかなと一息ついているところです。

この会社を考察団を引率して間もなく再訪する予定ですが、
これから4年間が勝負だと見ています。
1ドルちょっとの株価がはたしていくらになるかは
空想妄想の対象になりますが、
その条件がやっと整ったところだと私は見ています。
同業者が何社かありますが、
それらも含めて息の長い辛抱強さが要求される優良銘柄です。


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2012年3月31日(土)

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