中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4421回
漢方薬は新しい成長産業の1つ?

たまたま私の懇意にしている亨泰の林國興董事長さんが
大規模農業の一部門として、漢方薬の栽培に乗り出したときいて、
もともと漢方薬に興味を持っていた私は
「もしかしたら」と思って、
「中薬」にちょっかいを出す気を起してしまいました。
1つにはいま私の秘書をつとめている高橋君が
上海中医薬大学に5年も通い、その卒業生であることもあって、
その紹介で何と日本の代表的な漢方のメーカーである
ツムラの上海の立派な工場を
見せていただくチャンスにも恵まれました。

漢方と言っても、
石臼で漢方の原料を手で粉末にした時代とはわけが違います。
武田やエーザイにも負けないような近代設備を整えた工場で、
オートメで原料の加工をやっています。
製品にする最後の工程は日本でやっていますが、
四季報を見ると日本ではたった1社ですが、
何と年に900億円も売上げがあって、
「薬九層倍」と言われるように、
何と200億円も経常益があるのです。

それにびっくりしていたら、
「日本で長者番付で1位になっている人は漢方薬を扱っている人で
年に30億円からの所得がありますよ」と教えられました。
日本でさえそうなんですから本家本元の中国では、
人々の生活が豊かになった分だけ「西薬」だけでなく、
「中薬」に対する需要も大幅に成長しており、
つい最近は「中薬」が投機の対象になっていますよと
教えられました。

但し、中国人のやることですから、
手がけてから1年以内にお金になる薬草物でないと
中国人は手を出さないし、
皆が手を出す商品は3倍にも5倍にも値上がりするかと思ったら、
できすぎて大暴落する物もあるようになったと
雑音が色々と耳に入ってくるようになりました。
「それでもやりますか」と言われてしまいましたが、
私が見ると
「漢方もいよいよ成長産業の仲間に入って来たらしいぞ」
ということになります。
1年どころか、2年も3年もかかるものには手を出さない
スペキュレーターが多いところがミソですね。





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2012年4月17日(火)

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