中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4429回
昔懐かしい市場よ、もう一度

最近は中国の大都会に行くと、
どこにも大型スーパーがあって、
欧米や日本から進出したスーパーが
一般の人を相手に商売をやっています。
とりわけ欧米流のスーパーはスケールが大きくて、
ふだん人が買わないような物まで並べて売っています。

中国人は巨大な物が好きですから、
そうした大型スーパーに買物に行きますが、
欲しい物を買ってレジの行列に並ぶと、
半時間や一時間はかかってしまいます。
ですから少々知恵のある人は2人でスーパーに入って
1人が買物をしている間にもう1人がレジの行列に並んで
時間の節約をしています。

それでも日本のスーパーよりヨーロッパや
アメリカのスーパーに買物に行く人が多いのは
欧米人はブランド商品より
同じ物なら安い商品を並べているからです。
日本で欧米のスーパーに人気がないのは、
日本人がブランド商品を買いたがるのに、
欧米のスーパーは安い商品ばかり並べたがるからです。

その点、中国では中国人の気質にうまくあっていますが、
中国人は安いだけでなく、
匂いを嗅いで新鮮かどうか確めないと気が進まないので、
販売期日をすぎても
平気で商品を並べる欧米系のスーパーに不信感を抱いています。
そのおかげで日本のスーパーの成り立つ余地があるのですが、
そのどちらも新鮮な食品を鼻でクンクン嗅いでから買う
中国人の市場嗜好を無視しています。

そのおかげで、台湾に進出した日本のスーパーで
成功したスーパーはほとんどありません。
デパートの地下にある食品売場もアメリカの真似をしていますから、
缶詰や保存食は何とか売れますが、
人々は昔ながらの市場に黒山のように集まります。
こうした人々の心理にうまく焦点を合わせた商売のやり方があって
よいのではないでしょうか。
私はその実験を先ず日本に一番近い台湾でやって見て、
うまく行ったら大陸で展開すべく、
今、準備を進めているところです。





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2012年4月25日(水)

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