知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第48回
発明やデザインを永久保護!?

このタイトルをご覧になって、
「特許権の保護期間は出願日から20年まで、
意匠権の保護期間は設定登録日から20年まで」
ということを聞かされたばかりで、
「何を言っているの?」
とびっくりなさった方もおられるかと思います。

法的に保証されるわけではありませんが、
いろいろトンチをひねってみると、
発明やデザインを
事実上永久に保護できることになってしまうのではないか
と思われるケースが出てきます。
今回はそうした問題を提起したいと思います。
法的保証はありませんので、あくまでも気楽に聞いてください。

以前、立体商標をご紹介したことがあります(第27回ご参照)。
不二家株式会社の「ぺこちゃん人形」や、
日本ケンタッキー・フライド・キチン株式会社の
「カーネル・サンダースおじさん」が
国内で実際に登録されているとご紹介しました。

そして前回(第47回ご参照)、
商標権は更新登録すれば
いつまでも存続していくというお話をしました。

ここで「ピン」とこられた方も多いかと思います。
もし、発明や考案となる物品の形状や立体的なデザインを
商標として登録してしまったらどうなるでしょうか?

例えば、米国では
コカコーラの瓶の形状が立体商標として実際に登録されていますが、
日本においても(日本が起源かどうかはわかりませんが)、
中にビー球の詰まった昔懐かしい「ラムネの瓶」ってありますよね。
あれをそのまま立体商標として登録してしまったら、
炭酸が抜けにくいという発明としてのビー球の効果、
見た目に美感を起こさせるデザインとしての瓶の形状、
これらがそのまま半永久的に保護されることになりませんか?

実は、立体商標でなくても、
パネライ(オフィチーネパネライ社の時計)の
リューズプロテクターの形状が
平面的な図形商標として実際に登録されています
(商標登録第4323923号。図1ご参照)。

そして、このパネライの独特な商品形態を模倣したとして、
不正競争行為
及び商標権侵害に基づいた訴訟が提起されたことがあります
(平成15年(ワ)第29376号)。
図2は、訴状に添付された証拠写真の一部です。

このあたりの議論は、ケースバイケースで微妙な論点があって
定説はありません。
キケンですのでよい子はマネをしないで下さい(笑)。


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2007年12月8日(土)

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