知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第126回
特許調査のコツは3つのキーワードを探すことから

特許調査に使うツールは、
まずは特許電子図書館(1)の
「公報テキスト検索」(2)で十分です
(但し、収録年が概ね平成5年以降公開のものに限られることに
ご注意ください)。
この「公報テキスト検索」画面から、
キーワードやIPC分類、出願日や公報発行日などを指定して、
公報の絞り込みができます。
どんな要件で絞り込むかは「検索項目選択欄」で選択できます。
参考までに、実際の画面を一番下に添付しました。

コツはキーワードを探し出す対象を
「要約+請求の範囲」にすることです
(ちょうど図中に赤丸を入れました)。
最近、全文検索もできるようになって、
「公報全文(書誌を除く)」を選択できるようになったのですが、
キーワードの検索範囲を公報の全文にまで広げてしまうと
慣れないうちは余計な公報が大量にひっかかってきて
訳が分からなくなります。
欲張らないで、「要約+請求の範囲」にすることが
最小の努力で最大の効果を挙げるためのコツです。
私が技術者の方に説明する際には、
「3時間程度で70点くらいの成果があげられます」
と宣伝しています。
こうした努力と成果のトレードオフって、
製薬や貴金属の精製の過程で見られるトレードオフと
同じと思います。
純度を95%から99%まで上げるのに、
90%から95%にまで上げるコストの10倍もかかったりしますよね。
私がお奨めするお手軽検索は、
最小のコストでまずまずの成果を狙うものです。

キーワード探しの第1のポイントは、
ご自分がイメージした発明やアイデアを
なるべく3つの言葉で特徴付けるよう努めてみることです。
2つでは少な過ぎ、4つも5つもあるのは絞り過ぎという、
その程度の意味です。
ですから、場合によっては2つで足りることもあれば、
4つ以上で表現した方が良い場合もあります。
基本は3つです。
例えば、第17回でご紹介した「たこ焼き」の
アイデアの本質を表わすキーワードは、
「たこ焼き」「桜海老」「混合」といったところでしょうか。
これらのキーワードはAND条件になります。

第2のポイントは、
3つのキーワードのそれぞれについて
3つくらいの類語で展開してみることです。
これらの類語はOR条件になります。
例えば、「たこ焼き」であれば、
「たこやき」「タコヤキ」といった仮名遣いで
バリエーションが増えますし、
類義語という意味では、
「混合」「配合」「混ぜ」といった展開が考えられます。
せっかく1つの概念を言葉で表わせたとしても
こうした類語が使われていたために
上手く拾えない危険性をできるだけ減らすのです。
この類語のバリエーションもあくまで3つが目安ですが、
2つで十分の場合もあれば、
5つ、6つと展開したほうがよい場合もあります。

http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl
http://www7.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108


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2008年6月7日(土)

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