元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第692回
「人間は孤独な旅人」ですが・・・

ガンとどう上手く付き合うか?
日ごろのライフスタイルを
希望に満ちたものに変えるにはどうしたらよいか?
帯津医師は「ただ、前向きに明るく」
という人生訓は無理です。
ウソでしょう・・・というのです。

          *

たしかに人間は孤独な旅人です。
ですから、ガンに襲われても、
こう考えたらどうでしょうか?
人間は哀しくて寂しいものなんだから、
それより下はもうないから、
その大地から未来に向かって
生甲斐の大木をたてたらいい――
これが、今日申し上げた、
「生命在脚下 希望在心中」という
ガンにも負けない、
上手な生き方の真髄だと思います。

大袈裟じゃなくていいのです。
家族と一緒に、心ある医師と一緒に、
ひとつひとつ、
自分の願いを育てていく場を大切に育んでいく、
そうした心を持つ患者がめきめきと
元気を取り戻しているように思います。

私も東大や駒込病院で、
外科手術に専念していた頃は、
「心でガンが克服できる」などとは
思っても見ませんでした。
しかし、20数年前、
西洋医学だけに頼っていてガンは治せるのだろうか?
という疑問を抱いて、
自分の病院を開設したのですが、
それがホリスティック医療=
つまり、心身丸ごとの医療への挑戦のスタートとなりました。

手術、抗ガン剤、放射線だけでなく、
漢方薬や針灸、気功や食事療法といった
東洋医学の治療法、養生法も、
積極的に取り入れました。
とくに、患者の皆さんと気功を毎日やっておりますと、
普通の診察とはちがって、
病状はもちろん、
相手の心の状態も読めるようになったわけです。

          *

養生訓、処世訓というと、
ついつい「前向きに」「明るく」
「不幸を嘆かず積極的に」などと
僕たちは簡単にいってしまいますが、
実際、ガンと宣告されたり、つれあいを失ったり、
倒産したり…人生の逆境にたったときに、
己を立て直すことは至難のワザです。

そうしたとき
「もうこれより悪いことはない」
「これまで生きてきたことが幸運だった」
と思えたときから、
本当の人生再設計が始まるというわけです。
足元をしっかり見つめて人生を送る心構えが出来れば
シメタたものだというわけです。


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