元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第909回
もうすぐ春ですね

寒い季節が始まった昨年11月ころから、
この2月にかけて、
残念なことですが、
何人かのガンの仲間を見送りました。
急に寒さが襲うとき、
温度や湿度が急激に変わるとき、
人間の体は予想以上の影響を受けるものなのです。

新潟大学の免疫学の権威・
安保徹教授の「自律神経・免疫理論」ではありませんが、
人間の体は微妙です。
たとえば、低気圧が来ただけで、
副交感神経優位となってリンパ球が減り、
免疫力が弱まります。
このコラムでも、なんども書いておりますが、
ガンや大きな持病を持った人には、
とくに冬は要注意の季節なのです。

僕にしても、ガン病棟から退院して、
2,3年は、冬になると必ず、
食道の病巣が詰まるような
思わぬアクシデントに見舞われました。
放射線の後遺症やいろいろ原因は考えられましたが、
大抵は、寒さを油断して、
夜に出歩いたり、
冷たい水仕事をしたり、
からだを冷やしたあとに起こっているように思います。

ところが人間の記憶力とは、
これまた予想以上にあやふやなもので、
春夏の快適さを体験すると、
ついつい、寒さの厳しさを忘れてしまうものなのですね。
喉もと過ぎれば熱さ忘れる――、
という諺がありますが、
ガンの患者のみなさん、
そして、介護をされている家族の皆さんは、
これを決して忘れてはならないわけです。

先日も、末期の肺ガンと宣告されながらも、
土屋繁裕医師による、
分子標的薬の休眠療法と、
さまざまな代替療法を組み合わせた治療計画で、
足掛け3年、奇跡的に延命され、
とても大きな仕事にも復帰しておられた
原田廉平さんでしたが、
新宿御苑に近い病院で息を引き取られました。
厳寒の2月10日のことでした。
苦しみも喜びもともに分かち合ってきた仲間でしたから、
残念で残念でなりません。

「もうすぐ春です。この寒さを乗り切って、
 新宿御苑の桜を見に行きましょうね」
最後に見舞ったとき、
原田さんの手を握り締めたのですが
とても温かったことを思い出します。
残念です。
でも、原田さんは、奥さんやお姉さん、
ご家族の皆さんの温かい思いやりにきっと満足して、
大きな宇宙の生命世界の中に旅立ったと思います。

数日前に、
僕たち夫婦が持っていったピンクのバラの花が、
亡くなった日に満開になっていたそうです。
「もうすぐ春ですね」
原田廉平さんの声が
天から聞こえてくるような気がします。合掌。


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2005年2月21日(月)

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