元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第934回
女性を悩ます後遺症=「リンパ浮腫」

薬害という副作用、後遺症・・・
風邪や切り傷程度なら、
軽症ですむでしょうが、
ことガンの手術となると、まかり間違うと
QOL(いのちの質)を奪われて、
余生を台無しにしかねない後遺症のケースがあります。

いま、「週刊金曜日」という雑誌で、
その発行人であり、社長である
黒川宣之さんが、自らの10年を超える
「多重ガン」との闘いの記録を連載しています。
3月11日号「週刊金曜日」では、
前立腺ガンの手術の模様を綴っていましたが、
「リンパ浮腫」という、恐ろしい後遺症の問題点について
指摘しています。

前立腺ガンの手術だけでなく、
大抵が、転移の拡大を防ぐといって、
周辺のリンパ腺も切り取ることになるわけですが、
とくに子宮ガンや乳ガンのリンパ郭清手術を受けた女性は、
この「リンパ浮腫」という後遺症に悩まされます。

これについての相談先や病院については、
まえに、本コラムでも触れましたが
この手術が、人生を台無しにしかねない、
リスクを負わすことになるのです。

「リンパ節を切除すると、
 手足の末端からリンパ節を経由して
 心臓方向に戻るリンパ液の通り道が妨げられる。
 子宮がんや乳がん、前立腺ガンなどでは、
 リンパ液が腕や脚、下腹部などにたまって
 パンパンに腫れあがることがある。
 リンパ浮腫と呼ばれ、女性に多い。
 この病気の治療に30年以上取り組んでいる
 廣田彰男・広田内科」クリニック院長によると、
 子宮がんや乳がんの手術を受けた
 25%が発生しているという。(略)
 私に場合も主治医に話したところ、
 『自然に治るのを待つしかない』
 とつれない返事だった」と、
黒川さんは嘆いています。

また、こんな警告もしています。
「乳がん患者の団体が
 全国156の病院を対象に行った最近の調査では、
 リンパ節転移がなくても切除する病院が
 四割にのぼっている。
 転移は怖いが、リンパ浮腫になれば
 生活の質(QOK)はぐんと落ちる。
 効果と副作用について十分に説明し、
 患者の納得を得たうえで実施すること、
 アフターケアが不可欠だ」

さあ、ガンは取ったが、治療の後遺症で苦しんだ・・・
これでは納得できる治療とはいえません。
大半の大学病院の医師は、
患者が質問しなければ
なかなか、こうしたメリットとリスクについては
詳しく説明してくれませんから、
日ごろから、信頼できる、相談できる医師を
早く見つけておくことは、
これからますます大切です。

もし、あなたや家族が、リンパ浮腫に悩んでいたら、
拙著「帯津良一のがんに打ち克つ、いのちの手帖」
(二見書房)に対処法が
詳しく書いてありますから、
読んで、的確な病院を探し出しましょう。


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2005年3月18日(金)

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