元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1069回
続「忘れえぬ友」のこと

まえに「忘れえぬ友」と題して、
二人のガン友の“旅立ち”のことについて書きました
作家の倉本四郎さんは
僕と同じ食道ガンでしたが、一昨年の猛暑の夏に――、
そして、ことし、厳寒の2月には、
末期の肺ガンを強靭な回復力で乗り越えてきた
原田廉平さんが亡くなられました。

その闘病はまさに夫婦二人三脚。
僕たち夫婦とは、夫婦ぐるみで
ガン養生の情報交換を繰り返してきた仲でしたから、
遺されたご家族の気持ちを思うと、
いたたまれない思いでした。

しかし、奥さんの気丈さとはえらいものですね。
まさに、夫唱婦随の絆は、
いまなお、しっかりと結ばれていて、
夫が残した意志をしっかりと
伝えていこうとされる意欲には頭が下がりました。

そのおふたりから、期せずして、
先日、手紙をいただきました。
倉本さんの奥さんからの手紙は
「ひぐらし忌」法要の知らせです。

俳句の名人でもあった倉本さんは
「ひぐらしや なお日をのこしつつ 店仕舞い」と、
すでに病床で人生の決算を悟った句を
僕にも聞かせてくれた人ですが、
それに因んで、倉本さんの法要は
「ひぐらし(蜩)忌」として続けられ、
この8月21日(日)に、葉山・新善光寺で
3周忌がとり行われるというのです。

「聞くはさびし 鳴かぬもさびし 蜩忌――
 月日の経つのが年々に早く感じられますが、
 みなさま、お元気でお過ごしのことと思います。
 四郎があわただしく店仕舞いをいたしましてから、
 早いもので、この夏で満二年、
 足掛け三年を数えようとしています」

「鳴かぬはさびし」といいますが、
あの少年のような笑顔は鮮明に蘇ってきます。
たしかに倉本さんの身は逝ってしまったわけですが、
倉本さんの人柄、作品、
そして、ガン養生のひたむきな姿・・・は、
多くの友人知人の心の奥にいまも
生き生きと息づいているのです。

そして、もうひとり、原田さんの奥さんとは、
半年経ったら
「廉平さんを偲ぶ会」をやりましょうよと、
約束していたのですが、
なんと、夫の残したものを無駄にしたくないという
思いを込めたじつに前向きな手紙が舞いこんだのです。
もちろん、心の整理は
まだまだ付きかねておられるのでしょうが、
それを乗り超えて
夫・廉平さんが闘病中に始めた
「患者に希望をもたらす会」を受け継いで、
8月20日(土)に「第3回 スローヘルス研究会」を、
故郷・富山で開くという素晴らしいものでした。
この談話会の詳しい日程は、
明日のコラムでお知らせします。


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2005年7月31日(日)

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