元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1131回
病院は臓器工場にあらず「患者の家」だ

世界のガンの病院が
患者本位に大きく変わりつつある――と、
日本の統合医療の第一人者である
帯津良一博士と、香港から高速艇で1時間、
中国・広東省の珠海市にある、
じつに「スローヘルス」な
ガン専門病院の視察に行ってまいりました

病院入り口のロビーには病院名ではなく
「患者之家」と大書されているように、
治療方針は患者本位。
患者や介護する家族が
自宅で暮らせる気分で、
ゆったりと治療を受けられるのが特色です。

広い個室が用意され、
自炊用の大きな厨房で
家族が煮炊きしている姿が
温かくて印象的でした。
また院内には漢方浴SPA、
薬膳サービス、美容室、
教会の礼拝堂まであります。

漢方浴SPA
病院にある教会

中国国内からだけでなく、
インドネシアやタイ、シンガポールなど
東南アジアから患者が詰め掛け、
今年、日本からも、
「余命3ヶ月」と宣告された肺ガン男性や、
舌ガンの患者が入院。
中国語の診察という難点も筆談でクリア。
いまは、帰国して元気に励んでいるそうです。

病院の広さは、8,000m、入院病床100。
設備は腫瘍科、内科、中西結合治療科、
予防保健科、リハビリ医学科、
放射科、臨床検査科、病理検査科など。

また大型のデジタル化X線機器、超音波診断機器、
フランス製物理分析機器、日本製心電図検査、
スウーエデン製全自動血液分析機器、
自動尿液分析機器なども完備しています。

中西医結合によるQOL(命の質)を
第一に考えた施設というわけですが、
入院料金はどうなのか?
「アバスティンのような
 高価なガン新薬治療を受けるより格段と安く上がる。
 費用が出せない人ための病室も用意しています」と
王医師はいいます。

一緒に視察をした帯津良一医師の
埼玉・川越の病院も、
手術や検査設備のほかに気功道場あり、
漢方粥サービスがあり、
ガン病棟は「臓器切断工場ではない」として、
まさに治療の場をバランスのとれた
「生活の場」「いのちの場」と考え、
率先して、日本でガン統合医療を取り入れた、
ユニークな病院として有名ですが、
珠海のガン専門病院の環境作りの
意欲的な試みには感嘆していました。

珠海の病院内を視察する帯津医師(右は王医師)

3分間マニュアル治療が
常識とされている日本の大病院と
比べると信じがたいほど、
ゆったりとした人間味溢れる「スローヘルス」な病院でした。
*珠海・振国腫瘍康復医院=
http://www.wzg.cn/hospital/zhuhai/in.asp


←前回記事へ

2005年10月1日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ