元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1134回
3分間治療よ、さようなら

「これからの病院はどうあるべきか」
「3分間治療よ、さらば!」
「これからの病院は
“いのちの広場”と考えるべきだ」という
帯津良一博士王振国医師
おふたりの対談として、
いま原稿をまとめている最中ですが、
そのさわりの続きです

          *

帯津:「からだ、こころ、いのち」、
   つまり「身体性、精神性、霊性」の
   人間丸ごとを診る、
   究極の医療なのですね。
   丸ごとを診るということは、
   その人の身体だけではなくて、
   こころも、いのちも全部見るという――
   一人一人が違うということです。

   ですから、患者は機械のように
   マニュアル化できない。
   その通りです。
   さきほど、王先生の話で、
   ドキッとしたのは
   「薬が実験動物に効いたからといって、
    人間に効かなければ意味がない」という言葉です。
   動物実験では分からなくても人間には効く――
   こうしたケースがある。
   では、なぜ、動物実験で効かずに人間に効くのか? 
   これは医学にとって重大な問題ですよね。
   いのちの命題です。

   人間というのはネズミと違うものです。
   ネズミと違う精神性も霊性も持っています。
   私はいつもいっているのですが、
   家庭、会社、地域、社会といった、
   さまざまな場、つまり環境のなかで
   人間は生きているわけですよね、
   家庭という場があり、
   職場という場があり学校というものがあり・・・、
   地域社会、国家があって、
   地球、さらに大きな宇宙の場のなかで生きています。
   ですから、そこの力といいますか、
   エネルギーが人間に
   まるごとに及ぼす影響というのは
   非常におおきいと思います。

   そして、いまは、患者、家族、
   そして医療関係者が一緒になって
   「信頼の場」をつくることが、
   これからの医療だと思って、
   私なりに病院を続けているわけです。

謝 :そうですね。
   中西医結合ということで、
   私たちも実際の治療現場でいろいろ進めていますが、
   帯津先生のおっしゃるように、
   そういった周囲の環境という要素を考えながら、
   ガン治療はもっともっと
   変わっていかなければいけないと思いますね。

※ 謝 瀛華医師は、
  台湾の家庭医協会の会長でマカオ科学技術大学教授。
  台湾における中西医結合医学のリーダー的な立場にあり、
  この対談に同席した。


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2005年10月4日(火)

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