元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1159回
患者本位の「いのちの守り方」

夕刊紙「東京スポーツ」
「スローヘルス最前線報告−ゆったり治療で生き残れ」
というコラムを日刊連載してまいりましたが
おかげで、10月28日に無事、終了しました。
数々のご声援を有難うございました。

ところで、この連載は、
ガンなどの慢性難病を克服するためには、
ただ手術や抗ガン剤に頼っているだけではいけない。
一時は、その危機から脱することはあっても、
かえって、体にダメージを受けて命を縮めかねない――、
日ごろから、とくに食事などの生活習慣を改めて、
バランスのよい「ゆったり健康法」=
スローヘルスを心すべし――、
という患者本位の「いのちの守り方」を
提唱したものです。
なかなか、テレビ、新聞、週刊誌では読めない、
代替療法の医師・病院、
さらに生活習慣改善の知恵など、
スローヘルスな最新情報を検証したものです。

とにかく、いまの医療法制下では、
医学界も、行政も、さらにマスコミも
西洋医学以外はエビデンス(立証性)の低い治療とし、
「手術、抗ガン剤、放射線」治療以外は、
まやかしだと決め付ける傾向にあります。

しかし、何度も繰り返して書いてきましたように、
時代のライフスタイルは刻々と
激変しております。
かつての戦争傷病と感染症蔓延の時代から、
いまや長寿慢性難病の時代を迎えているというのに、
医療関連法も医療保険点数制度も
いまだ旧態依然としているわけです。
おそらく病院経営の都合もあるのでしょう、
じつに複雑なガンのような生活習慣病も、
まだ「切る」「叩く」「焼く」といった
臓器切断式治療が、
金科玉条の治療法として流布されているわけです。

一人のガン患者として、
はっきりいえることは、
こうした医療体制の範囲内で、
わが身に合った治療法を探そうとしても
「ほんとうに難しい」
「じつに寿命が持たない話だなあ」という感想です。

たしかに「患部を切り取る」「患部を叩く」
という“ミクロからの治療”も
応急処置としては必要でしょう。
しかし、とくに、ガン治療の場合、
正常に機能している臓器に
大きなダメージを与えることも間違いありません。

ですから、後遺症や副作用に対処するだけでなく、
体全体の自然機能を壊さないようにする、
“マクロからの治療”を見直すこと――、
つまり「スローヘルスの知恵」が
より、大切になってきているわけです。

患者ばかりではありません。
ただ患部を切る、叩く、
そして、治療の手立てがなくなれば
「余命3ヶ月」を平気で宣告する――、
はたして、こうした冷徹なるマニュアル病院に、
これからも、患者が通い続けるのでしょうか?
スローヘルスとは、
新しい病院経営=いのちの場のあり方に問いかける
大切なキーワードでもあるわけです。


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2005年10月29日(土)

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