|  第35回公共の場での立ち居振る舞い2
  (前回の続きです)若いカップルは「はっ?」「何?このおばさん?」という表情で、
 無言です。
 私はさらにがっかりしました。そして「おわかりになりませんか?
 もちろん、ここでお話をするなとは言いません。
 しかし、周囲のお客様のことも考えて、
 もう少し、小さな声でお話をして下さいませんか?」と。
 すると、二人ともハッと何か大切なことに気がついて下さったご様子。
 そして、男性が「すみません」と。
 続けて女性が軽く頭を下げたのです。
 私は「愉しくお話中に本当に申し訳ないわね。
 ありがとうございます」と言って席に戻りました。
 この出来事は私がまだ30代半ばの頃のことでした。今では40歳を過ぎ、子ども達や若者に対して
 当時よりもさらにいっそう、肝もすわり、
 我が子のように彼らのためを想い(おせっかいと思われようとも)、
 そして、その場、社会全体のことを考えて、
 マナーを伝える端くれとして、
 自分にできることを行えるようになった気もいたしますが、
 まだまだ問題は山積しています。
 日々の生活を通じて、一番気になることは、通学、登下校中の電車の中での子どもや学生の言動です。
 運動会のように車中を走り回る子ども達。
 笑いながら大声で卑猥な会話をする学生たち。
 そのような場面に遭遇して、
 公共の面前で優しく注意をできるときもあれば、
 できない時もある自分に、心を痛める瞬間があります。
 このようなとき、私たちおとなはどのような対応をすることが、
 子ども達にとって有益なのでしょうか?と日々、考えます。
 ある大学にて、マナーの講演を依頼されたので伺いました。1,000人もの学生が大きく広い会場にいたのですが、
 中に数名、私語や飲食をしながら
 講義を受けている学生がいました。
 私は基本的に個を重んじ、自由を尊重します。私語や飲食をされるのは、私の講義に魅力がないから、
 と自責の念を感じます。
 しかし、それが他の真面目に受講している学生たちに
 迷惑をかける行為となると話は変わってきます。
 そこで、私は雷を落としてしまいました。そして、返ってきた言葉は99%が「申し訳ございませんでした」
 「ご指導下さりありがとうございました」。
 残りの1%は「うるせぇ!ババァ!」。この1%をどのようにしていけば良いのだろう?
 本日もトラブルのない、
 みんながハッピーな気持ちになれる社会を目指して
 マナーを伝えています。
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