|  第71回“慇懃無礼”と感じるときと感じないとき
 前回のコラムにて、私が敬語を使って話をしたら、「慇懃無礼に聞こえる」とご指摘をいただいた話を書きました。
 
 その内容につき、読者の方よりご質問を頂戴しましたので、
 ご回答申し上げます。
 
           
            | ★本日のマナー質問(Mさんより)
 
 コラムで慇懃無礼という言葉があったので、
 質問させていただきます。
 店舗や会社への問い合わせの際に、とても丁寧だけど慇懃無礼に感じる場合と、
 感じない場合があるのですが、この差は何なのでしょうか?
 いつも何が違うのかと考えるのですが、なかなかはっきりとした答えが見つかりません。
 なので、自分はどうすればいいのか、
 ということも未だにはっきりとしません。
 漠然とした質問かもしれませんが、よろしくお願いします。
 
 
 |  ★西出さんからの回答 ご質問をくださったM様、大変ありがとうございます。 M様は大変重要な点にお気づきでいらっしゃいますね。丁寧だけど、慇懃無礼だと感じさせない人は、
 マナーの達人ともいうべき領域にいらっしゃる方だと思います。
 まず最初に、丁寧だけれども慇懃無礼に感じる場合は、もちろん、感じる人の感じ方にも人それぞれ差異があります。
 従って、一概に断言できることではありませんが、多くの場合は、そこに“こころ”“気持ち”なく、
 淡々とただ、マニュアルとおり、
 表面上の言葉を発しているケースがほとんどです。
 この場合は、「なぜ、今、このお客様に応対しているのか?」という理由、目的さえも考えずに、
 人様とコミュニケーションをとっていると考えられます。
 一方、同じ丁寧な言葉を用いても、それが慇懃無礼に感じない場合は、
 その人の話し方の表情が柔和であったり、
 その人の気持ちを態度で表現していたり、
 声のトーンが穏やかで優しかったり、
 と今までも何度もお伝えしている『3つのこ』
 (こころ*ことば*こうどう)がすべて揃っているときです。
 このときは、丁寧であっても
 そこに慇懃無礼さは感じないでしょう。
 次回(木曜日)に続きます。
 
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