|  第85回読者質問から
 先日、読者の方より、「旅行に行った際にチップを差しあげたら、さらに催促をされた。
 このような場合は、相手の立場にたって
 差しあげた方がいいのか、どうなのかわかりません。」
 というご質問を頂戴しました。
 ご質問、大変ありがとうございました。
 
 我が家には黒いラブラドールの愛犬FABがいます。
 彼女は、私がご飯をあげてもあげても、
 私の顔を見れば条件反射のように“オテ”をして
 1日中ご飯を催促、おねだりします。
 私は「さっきあげたのに。。。」と言いながらも、ついつい私は彼女の欲しがるご飯やおやつをあげてしまいます。
 すると、彼女は肥満になり、
 健康のためにダイエットを余儀なくされました。
 ダイエットをしなければならない時期、
 彼女にとっては、とても辛かっただろうに、と反省した私です。
 また、私の知人で、自分では働かず、親にいえば親がどんどんお金を出してくれて、
 それで遊んで生きてきた人がいます。彼はもう40歳目前です。
 しかし、子どものときからずっと親がそうしてきたため、
 結局自立できないまま歳をとり、
 現在は親が借金を抱えるハメに。
 その後、ご本人はどうなさったのかわかりかねますが、
 想像するだけでも40歳前から真面目に働いて
 生活することができるのかどうか?
 かなりキツいことだろうなと思います。
 これらの例からもわかるように、必要なものは与えて差し上げる。
 しかし、それが過剰になってしまうと、
 相手のためにならないことの方が多いようです。
 どんなに気持ちがあっても、相手のことを思えばこそ、『NO』といわなければいえないときもあります。
 マナー人は、やるべきことはして差し上げる。
 しかし、それに相手が感謝せず、
 度を超す対応をしてきたら、はっきりと『NO』という。
 それが、最終的にHAPPY-HAPPYの関係を築くことになるようです。
 今回ご質問をくださった方は、すでにチップを差しあげているのですから、
 悩む必要はありません。
 相手はそのチップだけでも感謝すべきなのですから。
 チップを差しあげることは当たり前ではありません。
 それを当たり前だと思う、思われたときに、
 互いの関係は本物の関係ではなくなるのです。
 
 [編集部よりお知らせ]ご自身の魅せ方などをお知りになりたい方は、
 西出博子さんがプロデュースする
 南青山のマナーサロンで好評開催中です。
 http://www.erh27.com/erh
 |