|  第105回会社に「勤める」とは (その1)
 礼儀とは相手に対して思いやりの心、気持ち。その気持ちをカタチで表すのが礼儀、マナーです。
 ビジネスマナーのひとつに“整理整頓”“清掃”があります。 要するに、仕事のできる人はこれらができている、という評価をされる、ということ。
 実は、私、この説にも一概にはいえないな、と思っておりました。たとえば、テレビ番組などで、
 有名な方のお宅拝見などをみていても、
 綺麗に整理整頓や清掃が行き届いていなく、
 ある意味、汚くても出世している人がいるからです。
 しかし、これは自身で独立をなさっている人の話。一般的には、整理や整頓、清掃が綺麗にできている人は、
 仕事もできると評価をされます。
 それは、経営者からみれば、
 さまざまな“想い”を抱いて、立ち上げた会社。
 鉛筆一本を購入するにもどんな想いで購入したか、、、。
 それを体験していない人には
 なかなか分かってもらえない辛さが経営者にはあります。
 会社に机があって当たり前でしょうか?私は、20代の頃、新規立ち上げの会社に
 秘書として勤務していた経験があります。
 20年前の話です。
 保険も完備されておらず、その会社の業績がどうなっていくのかも
 まったく分からない会社でした。
 雑誌をみて面接に行ったとき、その会社には、社長の机と椅子のみしかありませんでした。
 私が勤務しはじめてからも社員の机はなく、鉛筆もボールペンもすべて自分のものを使用。
 それでも、私は私を雇って下さったことに感謝していたので、そのようなことは全く気になりませんでした。
 また、その社長が人間的に好きでしたし、
 会社を立ち上げてがんばっていらっしゃるそのお姿に
 『何か、私にできることがあればして差しあげたい』
 と思っておりました。
 そして、何よりも仕事が大好きな私です!
 お仕事をさせていただける有難さを身にしみながら、
 勤務させていただきました。
 当初は社長と私だけの会社でした。社長は日々営業で外回り。
 お目にかかることもほとんどなく、
 私は仕事を任してくださる社長のため、
 そして、クライアントのために、
 さらに、将来一緒にこの会社でお仕事をしてくれる仲間のために、
 表情、態度、挨拶、身だしなみ、言葉遣い、感じの良い返事、
 相手の名前を呼びながらの会話を基本に、
 常に社内を綺麗に保つために、
 勤務時間の最低でも30分前には出社し、
 朝の清掃からスタートし、
 常にそのオフィス環境を美しく、整理整頓していました。
 (つづく)
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