|  第108回ひとりひとりが太陽の明るさを
 明日は皆既日食です。私は英国に滞在中、この皆既日食を体験しました。
 車で山の上まで行き、ビデオカメラとカメラを設置し、昼間に太陽が月に隠れるその瞬間は、
 まさに“自然”と“太陽”の偉大さを体感させてくれました。
 皆既日食が近づくにつれ、まず鳥たちが鳴きながら移動を始めます。
 そして、様々なところから、
 動物たちの鳴き声が聞こえ始めました。
 それだけでもドキドキし始める瞬間です。
 そして、徐々に明るかった空が暗くなりはじめ、それに伴い、気温がどんどん下がり、
 寒くなるのを肌で感じました。
 もうここまで体感できれば、十分と思うほどでした。そして、太陽が月に隠れるまさにその直前に、
 地平線に一本の光がとおったかと思いきや、
 パッと真っ暗になったのです。
 英国のあちらこちらから歓喜の声が聞こえました。暗い時間はどれほどだったのでしょうか?
 私の記憶ではかなり長かった(1分以上)と記憶しています。
 その暗いときは、あたりは静寂に包まれていました。そして、徐々に夜明けが来たと彷彿させるかのように、
 空がオレンジ色になっていき、
 太陽がこの地に戻ってきてくれた、
 そんな気持ちになり、
 太陽の偉大さ、大切さを痛感した瞬間でした。
 日本ではその昔、天照大神が天岩戸に隠り、太陽をなくしたというお話(古事記)がありますが、
 そのときは真っ暗で気温も低くなったのだろうな、と想像します。
 また、動物たちまでもが、ざわざわとその変化に気がつくように、
 暗くなるということは、
 私たちに不安感を抱かせることにもなります。
 だからでしょうか?暗い表情や暗い態度は、人様を不安にさせる。
 私たちひとりひとりが太陽のように明るい表情で日々過ごすことが、
 社会全体を明るくする役目を担っているようですね。
 
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