礼儀正しい人が出世します-西出 博子

西出博子さんが伝える一目置かれるマナー術

第219回
私からの最後のメッセージ その2(全3回)

昨年、弊社のマナー講師である小黒淳子先生が他界し、
小黒先生の訃報を受け、すぐさま病院に駆けつけるとき、
私は弊社スタッフの面接を控えていました。

小黒先生のことで泣いて泣いて、涙でひどい顔の私。
事情が事情だからその面接は後日にしてもらったらどうか、
と周囲から言われ、私もそうしてもおうかと思ったのですが、
「こんなときだからこそ、その面接をしなければいけない」
と思い、面接会場へとまいりました。

ボロボロの私の顔を見たその相手はビックリしたことでしょう。
でも私はその男性の優しい人間性に賭けることにしました。
そして、この人は小黒先生の代わりとなって
私を支えてくれる人だということで
小黒先生が引き合わせてくれたに違いない、とも思ったのです。

この男性はアベクン。
以来、私のお付き秘書としてがんばってくれています。

ビジネスマナーのいろはも知らなかったアベクンでしたが、
彼の真面目で素直な人間性が効を成し、
今ではどこに行っても誰からも
絶賛される人財に成長してくれました。
本当に嬉しくもあり、有難いことだなと思います。

このように相手に善かれと思って伝えたことを、
相手がそれを受け入れてくれて
良い方向に自分を変化、更新してくださる姿を拝見するのは、
私にとって至福の喜びであります。

本連載でもお伝えをしてまいりました。
人は完ぺきな人などいません。
もちろん、残念ながら私も完ぺきではありません。
だからといって開き直ることではありません。
完ぺきになれるように、日々、意識をして生きているつもりです。

仕事でもその他でも、自分の期待通り、
思い通りにならないことはたくさんあります。
そんなときに、相手に対してどのように伝えたら、
相手も気持ちよく作業をし、
それによりこちらの要望も応えてもらえて
互いにハッピーになれるのか。

繰り返しますが、『相手の立場にたつ』ことで、
お互いがハッピーになれる。
それがマナーです。

お互いがハッピーになれないのは、
そこにマナーがないからです。
できることなら、お互いがハッピーでいられる、
そんな関係を創ることができればいいですね。

近年、コミュニケーションの手段として、
Eメールなどの面と面を合わせない、
声の表情も伺えない文字だけの
コミュニケーションが多くなってまいりました。

この文字だけのコミュニケーションは、
本来の気持ちが相手に伝わりにくく、
誤解を招く場合もありますので、
特に相手の立場にたつ
というマナーを重視していただければ幸いです。

善光寺の手水舎には『心洗』と記されていました。
そして「今月の言葉」として下記が記されていました。

人と仲良くしたいと思うなら
先手必勝
キゲンの悪い人にも
こちらから
キゲン良く話しかけよう

先手必勝。皆さん、覚えてくださっていますか?
本連載でも何度もお伝えをしてまいりました。
そして、先手必笑で
マナーあるコミュニケーションをとりましょうね、と。

微笑んでいることは、心が微笑んでいる証拠。

今のあなたの心は洗われていますか?
今のあなたの心は微笑んでいますか?


次回で「礼儀正しい人が出世します」は最終回です。


←前回記事へ

2010年6月15日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ