「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第3回
カリスマシェフよ 何処へ行く? (その1)

広尾病院の裏手、渋谷川にかかる新豊沢橋のたもとに
ひっそりとあった「アロマフレスカ」は
とても好きなリストランテであった。
若き敏腕シェフ・H田氏の感性がデリケートに
伝わってくる料理の数々は今でも
口福を味わった舌が鮮明に覚えている。

特に印象に残ったものを列挙してみると

 加賀太きゅうりを添えた鮎炭火焼きサラダ仕立て
 穴子の香草蒸し・ケッカソース
 カスベ(エイ)と黄にらのタリオリーニ
 生うにと加茂茄子のスパゲッティ
 仔うさぎと新ごぼうのタリアテッレ
 ホロホロ鳥とポルチーニのガルガネッリ
 きじはたと帆立のポワレ・海藻入り白ワインソース
 仔うさぎの猟師風ロースト・にんにく風味
 子鳩のロースト・さくらんぼ風味の赤ワインソース

訪れるたびに感心したのはパスタ。
ご覧のように例外なく、魚介あるいは獣禽類と
キノコ又は野菜のコラボレーションで成り立っている。
細打ち麺のタリオリーニ、平打ちのタリアテッレ、
手巻きマカロニのガルガネッリ、
自家製の手打ちパスタの快適な食感が
魅力を倍加していたものだ。

ワインも初見参の‘01年には
幻の銘酒になりつつあるガイウン・マルティネンガの
‘95年が1万5千円と良心的な値付け。
もっとも再訪時には、仕入れ値がハネ上がってしまい、
リストから外したとのこと。

中野区弥生町に2号店の「カッフェ・アロマティカ」が
オープンしたと聞いておジャマしたのも‘01年。
この時は期待を大きく裏切られた。

アンティパスティ・ミスティ(前菜盛合わせ)の
とこぶしと山伏茸のソテー、上海蟹のサラダ、
さんまのカルパッチョ、バーニャ・カウーダ、
いずれもイマイチ。

パスタにしても、牛ハラミのパッパルデッレ、
白トリュフ風味のスパゲッティ・カルボナーラ、
どちらもヤケにしつっこい。
「アロマフレスカ」でも食した
ホロホロ鳥とポルチーニのガルガネッリなど
まったくのベツモノと化していた。

そして‘02年、丸ビルのオープンと同時に
第3号店がスタートする。
           = つづく =


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