「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第5回
食べる野球に 飲むサッカー (その1)

いよいよ明日(日本時間明後日未明)はW杯の決勝戦。
とは言っても、この原稿を書いている現時点では
ベスト16の半数がやっと決まった状態。
開催国ドイツと前回の覇者ブラジルは
予想通りに予選を突破したものの、
イタリアはともかく、フランスはヒヤヒヤだろう。
週刊朝日の連載コラムで、決勝のピッチに立つ国は
1つはブラジルで決まり。
その相手が、独・伊・蘭のいずれかと
開幕前に予想しておいた。
はたして、どうなっていることやら、、、

サッカーはもっとも好きなスポーツだ。
W杯とは1966年イングランド大会からの
つきあいになる。
‘70年メキシコ大会のブラジルには心奪われて
毎晩テレビの前に釘付けだったし、
‘74年ドイツ大会の決勝はロンドンのパブで観た。
オランダの主将、ヨハン・クライフのプレイは
今も目に焼き付いて、忘れられるものではない。

ロンドンのパブといえば、
ロンドンっ子はサッカーが始まると
ラガーだ、ビターだ、ペールエールだと
思い思いのビールを片手に試合に没頭。
その間、グイグイ飲むだけで、ほとんど何も口にしない。
慣れない日本人がつき合わされると
非常につらいものだが、連中はまったく意に介さない。
さもありなん。
目まぐるしいゲーム展開に食い物など食ってるヒマがないのだ。
試しに自宅でやってごらんになると、よく判るハズ。
晩メシ食いながら、W杯の観戦なんぞ
メシはマズくなるし、サッカーにゃ集中できないし、
いいことなど何ひとつない。
まっ、人々がこういう生活をしているイギリスに
食文化の発展を望むほうがムリなのだ。

ひるがえって、いきなり野球。
このスポーツは食える。食い放題といってもいい。
毎回のチェンジに加えて、ピッチャーの交代、
監督の抗議、選手の怪我の治療、まあ次から次と
食べる時間をくれること。
このインターミッションが
日本に野球を定着させた最大の理由だろう。
そういった意味では、大相撲なんぞは最高だ。
仕切り直しのおかげで、ビールに枝豆どころか、
燗酒にさんまの塩焼きでもまったく支障がない。
相撲・野球・芝居・花見、日本人は何か食べていないと
見物のできぬ、意地汚い民族なんでしょうかね。
          = つづく =


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