「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第9回
新旧の 江戸前鮨が 揃い踏み (その2)

「弁天山美家古」の数軒先に
暖簾を掲げている「鮨よしだ」。
以前は道の反対側、地番でいうと花川戸にあった。
歌舞伎の「助六」や
履物問屋の町として世に知られる花川戸。
あちらで7年、移転後も7年、創業15年目に入った。

初回はかれこれ5年前。9月初めの暑い夜だった。
ビールを1本お願いし、すかさずにぎってもらった。
新子・*しゃこ2・*すずき2・赤貝・*石垣貝・
*かつお2・すみいか・車海老・穴子・赤身・
中とろ・大とろと計15カン。*ジルシは特筆モノだ。
これほど水準の高い店とは!思わずため息が出た。

最近は滅多にお目にかかれない小柴のしゃこ。
夏に旬を迎える白身魚の代表格すずき。
俎板(まないた)にパシリと打ち付けられて
グーッと反り返った石垣貝は勢い余って
なんと酢めしの上からすべり落ちた。
荒川静香も真っ青のイナバウアーだ。
トドメはいまだ脂の乗り切らぬ香り高いかつお。
生のにんにくスライスをカマせてにぎってもらう。
やはり誰が何と言おうと、かつおには絶対にんにく。
「ほかのお客が嫌がるから、、、」
「俎板に匂いが付くから、、、」
能書きばかりで、生姜に逃げ込む鮨職人は
冷奴でも作っておればよろしい。
浅草の「高勢」、四谷の「すし匠」、六本木の「兼定」。
東京を代表する鮨の名店はみな揃いも揃って、
かつおはにんにくで食べさせてくれる。
エッ?「久兵衛は?」「次郎は?」ってか?
卒爾ながら「なか田」も含めて
俗にいう銀座の御三家は1軒たりとも
「私の鮨屋のベストテン」には入っており申さぬ。
悪しからず。

つい先日の6月下旬。仲間3人、ビールで乾杯のあと。
新島特産の芋焼酎・嶋自慢のロックを片手に
*まこがれい・*生とり貝・*春子(真鯛の幼魚)・
*かつお・真だこ・鯨ベーコンをつまむ。
続いて*やりいかのゲソと*小いわしは塩焼きで。
一拍おいてのにぎりは
*小肌(柚子)・*春子(おぼろ)・穴子(煮つめ)・
*かつお(にんにく)・*煮はまぐり(煮つめ)・
玉子(酢めし抜き)の計6カン。
驚くなかれ、*ジルシのオンパレードだ。

気になる予算は万札1枚でオツリがきたほど。
時々現れるパンチパーマの喫煙者ご一行の姿が
まったく見えなかったのも、なによりであった。


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