「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第24回
気に入りワインを持ち込んで  (その2)

中目黒の目黒商店街の南端にある「ペティアン」。
気軽に立ち寄れる使い勝手のよいフレンチ・ビストロだ。
すぐ近くにカレー南蛮発祥の店「朝松庵」がある。
早稲田の「三朝庵」が元祖という説もあるが、
あちらはカレーうどんで、こちらはカレーそばと
不可侵条約の締結済み。

さてその「ペティアン」。ワインの持ち込み料は2100円。
この店のワインリストの中で
最も安価なワインの値段が2100円だからというのが理由。
とても明確、非常に良心的。他店も見習ってほしいなぁ。

初回は「持ち込み可」を知らずに入店。
ジョセフ・ドルーアンの若いブルゴーニュを頼み、
料理の美味しさを堪能してきた。
ビストロですら、あまりメニューに載らない
典型的なフランスのお惣菜の
キャロット・ジュリエンヌ(にんじん千切りサラダ)が
大好物。自家製のピクルスにも大満足。
鱒の燻製・ひな鶏のロティ・仔羊のクスクス、
何を食べてもハズレがなく、価格も安めに設定されている。

再訪時には、ワイン好きの仲間が集まって
高級ワインを持ち込んだ。
ルロワのヴォルネイ・サントノ‘99年。
ヴェガ・シシリアのウニコ‘95年。
ガヤのバルバレスコ’97年。
アンティノーリのソライア‘96年。
神をも恐れぬラインナップといっていい。
こんなゼイタクをしたのは空前絶後のことである。

以後、訪れるときは若めのブルゴーニュで自重している。
必ず注文するのは、鶏白レバーのムース、ひな鶏のロティ、
仔羊のソーセージ、そして気に入りのにんじんクン。

さてさて、今年に入り、究極の持ち込みOK店を発見。
西麻布にあった食事処「たぬき」の跡に
オープンした「レ・ビノム」。何と持ち込み料は無料。
フレンチっぽい炭火串焼き専門店だ。

かぶのサラダ・シーザースサラダ・鱈白子ムニエル・
すっぽん肩肉唐揚げ・かきと百合根のグラタンと進み、
メインの串焼きは、コルベールの青首鴨には下仁田ねぎ、
蝦夷鹿にはりんごのソテーをそれぞれ付け合わせる。
大食漢にはもの足りなさが残ろうが、やはり無料は魅力。

持ち込んだワインは、ブルゴーニュのピノ・ノワールが
ルモワスネのヴォーヌ・ロマネ‘81年。
ピエモンテのネッビオーロは
マルケージ・ディ・グレイジーの
ガイウン・マルティネンガ‘90年。
珠玉の赤ワインでプチ・ゼイタクに再び溺れてしまった。


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