「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第29回
中華そば屋で やる晩酌  (その1)

ある日突然、ポツンとスケジュールが空いてしまい、
たった独りで晩メシを食わにゃならなくなった時。
もっとも実情は晩メシというより晩酌なのだが、
とにかくそんな夜はどこへ出かけるかというと
有力候補はなんといっても鮨屋。
一杯やりながら、親方や職人さんと
言葉を交わすのが楽しくもあり、
彼らから学ぶことも多いからだ。
行きつけの店に執着せず、
見知らぬ店の暖簾をくぐることもたびたびだ。

酒亭・居酒屋・大衆酒場もよく利用する。
おでん屋もこのジャンルに収めていて
真夏でさえなければ、ちょくちょく出向く。
独りで焼き鳥はめったに食べない。
さまざまな部位を試したいのに
単独ではそう何本も食べられないからだ。
それよりも酒場の焼きトンが大好き。
シロ・レバ・ハツ・ナンコツの4本もあればじゅうぶん。
たまにコブクロあたりを追加する。

意外と使い勝手のいいのが、洋食屋ととんかつ屋。
そこなら酒ではなく、メシだろうと言われるかもしれないが、
洋食ならば、さしずめポークソテーかミックスグリル。
とんかつ屋ではロースカツや串カツを揚げてもらって
ライスは頼まずにビールを飲むのが好きなのだ。
ビールにあきたら、河岸を変えてワインか焼酎を飲みにゆく。

ワリと気に入っているのは中華料理店で
ビールと紹興酒を楽しむこと。
独りでの晩酌につき、何皿も注文はできないから
あまり仰々しい大飯店は敷居が高すぎる。
それではどこかというと
昔ながらのごく普通の町のラーメン店。
海老チリ・酢豚・回鍋肉はあるに越したことはないが、
レバニラ炒め・肉野菜炒めがないと
淋しくなる、そんなイメージの店がいい。

東銀座の「萬福」は、ずっと贔屓にしている店。
建て替えられて、レトロなんだかモダンなんだか
容易に見分けがつかなくなったのは
近代的なビルに変身を図るための苦肉の策か。
中華の売上げよりもビルの家賃収入が
大きく上回るハズだから、これもいたし方あるまい。

ビールはサッポロラガーの中瓶。
ラベルの真ん中に真っ赤な星が居座るヤツだ。
注文すると、すぐに出てくる鶏手羽先の八角煮が
手持ち無沙汰な独り身にはありがたい。
肉汁あふれる焼き餃子は1人前6個だが、
4個から焼いてくれるので、多少割高でも4個だけお願い。
はて、お次は何を食おうかな。
      =つづく=


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